余市町 余市川
「子供の頃から親しんできた川に、こんなに素敵な一面があったなんて全く気が付かなかった...」 漕ぎ出して最初にそう思いました。緑に囲まれた川に漂っていると小鳥がさえずりながら飛び交い、魚が時々水面から顔をのぞかせたり、ジャンプしたり。かと思うと水鳥がサッと飛びあがったり、まさに心休まる空間がそこにはありました。 自宅から車で5分足らず、こんな近くにこんなに安らぐ場所があったなんて、本当に驚きです。 川は初めてでしたので、最初はおっかなびっくりでしたが、しばらく漂ったあと、慣れてきたので川岸に沿ってバードウォッチングを楽しみました。 下流のゆったりした川の流れは、初心者の私たちでもわりと思った方向にカヌーを進める事ができるので、声を頼りに小鳥を探して、行ったり来たり。 知らぬ間に時間が過ぎていきます。 初めてでしたし、小雨も時折落ちてきていたので、早めに切り上げましたが、1時間半くらいだったでしょうか、楽しいひとときを過ごすことができました。 余市川はカヌーに乗る人には結構有名な川らしく、上手な人は上流から4時間くらいのリバーツーリングが楽しめるそうです。 でも車で上流を見に行ったら結構流れが速そうで、私たちには、まだ少し先の楽しみになりそうです。
Jeux d'eau
ラヴェルはドビュッシーとならぶ、フランスの近代音楽を代表する作曲家です。「水の戯れ」は、1901年に作曲され、ラヴェルの名を一躍有名にした出世作です。ドビュッシーも1905年に「水の反映」を作曲していますが、「水」のイメージを基に作られているものの対照的な音楽でもあるように感じます。ドビュッシーの音楽は、水に映る光や影を詩的なイメージでとらえているのに対し、リストの「エステ荘の噴水」を意識して作曲されたと言われるラヴェルの音楽は完成されたピアノ技法から生み出される多彩な響きが、多様な水のイメージと重なっているようです。不規則なリズムで、ほとばしる水の動きを、実に精密なアルペジオで表現しています。また、印象主義の世界に最も近づいた作品と言われていますが、ソナタ形式の構成で作られているのがラヴェル的で、高貴な印象を受けます。
楽譜の冒頭に詩人アンリ・ド・レニエの詩句「河に住む神は水にくすぐられて笑えり」が引用されています。
正直言って、今まで「水の戯れ」には、それほど興味がなかったのですが、今年の春にダン・タイ・ソン氏の演奏をコンサートで聴いて、その優雅でかつ凄みのある水の世界を見事に表現された演奏に大変感動しました。それから「弾けるものなら弾いてみたい!」という気持ちになって、短期間ではありましたが私なりに勉強して秋の発表会で演奏したばかりです。これからも時間をかけて楽しみたい作品です。