神恵内村 当丸峠〜リフレッシュプラザ温泉998

余市から古平へ抜け、当丸峠を経て神恵内村へ入るとすぐに、「リフレッシュプラザ温泉998」があります。実はこんなに長い名前だったなんて、知りませんでした。 よく行く温泉の一つですが、普通は『998』と呼んでます。 当丸峠は、道道998号線にあるので、998という名前になったと思いきや、実はこの温泉が出るまでに、998回ボーリング(穴掘りの数ですよ(^^))を行ったという意味もあるそうです。 偶然とは素晴らしいと思いつつも、”1回くらいごまかしてない?”なんて思ってしまうのは、私だけでしょうか? この温泉は、世界一とも言われる塩分濃度で、海水の1.3倍もある濃い温泉なのです。 もともと綺麗で、サウナやジャクジーもある快適な温泉で、露天風呂が出来てからは一層快適になりましたが、更に数年前に改築したとの事です。 温泉の事ばかり書いていますが、ノクターンの曲にこの温泉の紹介を書こうと思ったのは、当丸峠のイメージからです。 当丸峠は、途中に展望駐車場が一つある以外は何も無い、通る車もあまり多く無い峠ですが、時には幽玄な積丹の山々の上のドライブは、どこか遠くを見ているようなこの曲に合っているように思います。


Nocturne Op.32No.1

ノクターン(夜想曲)というピアノ曲は、アイルランド生まれの作曲家・ピアニストのジョン・フィールドが創始者といわれています。特定の形式があるわけではありませんが、左手の低音部の和声的な伴奏に乗って右手がロマンティックな旋律を歌うという、夢見るような気分を持つ小品のことです。ショパンは、その生涯に全部で21曲のノクターンを書き残していますが、様々な体験、悩み、憔悴、絶望、悲嘆、訣別、安らぎ、喜び等々、無限ともいえる詩情豊かなニュアンスに満ち溢れた表現方法によって、ショパンのロマン的な音楽性が表されたものとなっています。 第9番 ロ長調 作品32の1は、アンダンテ・ソステヌート、4分の4拍子。シンプルですが、暖かく優しい抒情を湛えた曲です。音楽の流れを遮るフェルマータ付きの休符が時折現れますが、瞑想的な気分から、ふと現実に返ったのでしょうか、それとも一瞬、夢から覚めたのでしょうか...。この曲を演奏していくと、まさか!?というドラマティックで情熱的なコーダを迎えるのですが、その鮮やかなコントラストに驚かされます。サロン風な小品を越えたロマン的な感情表現としての夜想曲を求めていたショパンの激しい表現意欲が強く現れている部分です。私は、このコーダを弾く度にショパンは、なんと遠くを見ているのだろうと感じてしまいます。