Little Players News

No.13 1999月号

春の暖かな日差しに誘われて、雪解けの庭にチューリップの芽が出てきました。(注:これを書いた途端に雪が降りました...)年度が代わり、様々な変化がありますが、フレッシュな気持ちで始めましょう。

♪ スオミ・ピアノ・スクール C ♪

〜 呼吸 〜

文章を読む時に、句読点の無い中途半端な場所で区切る人は少ないと思います。また逆に、全く句読点の無い文章もありません。音楽もそれと同じように、句読点に相当する部分があります。そのような音楽の単位はフレーズと呼ばれますが、このフレーズを表現する為に最も大切な事は、正しく呼吸をするという事なのです。この“呼吸”は歌を歌う時だけではなく、ピアノを演奏する場合にももちろん重要なのです。音楽の微妙な間や抑揚を表すには正しい呼吸が必要不可欠です。たとえばオーケストラの指揮者が、ただメトロノームのように棒を振っていたとしたら、そのオーケストラの奏でる演奏は感動を生むでしょうか? 

また、大勢で一つの音楽を作り上げていくということを例にとっても、“呼吸”というのは、全体をまとめる上でとても大切です。教室のレッスンでも連弾やアンサンブルなどを取り入れていますが、上達すると“さんはいっ!”というかけ声なしでも自然と合わせられるようになります。それは単に出だしを合わせるという事ではなく、曲の流れの中で互いの演奏を聴き合って、きちんと合奏できるようになるという事なのです。この時重要な役目を果たしているのが“呼吸”というわけです。“呼吸”は脱力という面からもとても重要です。“脱力”については次回詳しくお話致しますが、正しい呼吸をすることで、余分な力が抜け、楽にピアノを弾くことが出来るようになります。これは、スポーツの世界で“呼吸”が重要視されている事とまったく同じ理由によるものです。それではみなさん、大きく深呼吸して楽な気持ちでピアノに向かってみてください。(^o^)