Little Players News

No.14 1999月号

新緑の綺麗な季節になりましたね。今年の発表会は、9月12日(日)に決まりました。今年の作曲家特集は楽聖ベートーヴェンに挑戦しようと思っています。6月頃から練習に入りますので、みなさん張り切っていきましょう。

♪ スオミ・ピアノ・スクール D ♪

〜 脱力 〜

 今回は、ピアノ演奏だけでなく、全ての楽器の演奏や、歌を歌うときでも重要な“脱力”という事をお話しして、ひとまずスオミシリーズの最終回としたいと思います。 私が子供の頃はピアノを弾くときの手の形について、“卵を持つ様に”と指導されるのが一般的でしたが、今ではこのように指導する先生は減ってきています。ピアノを自分の意のままにスムーズに弾きこなすには、指や体に無理な力が入っていてはいけません。両手の力を抜いて体の横に腕を下ろした時の状態が最も楽な状態ですが、その手の形のまま両手を鍵盤の上に置くと、それがピアノを弾く時の理想的な状態になります。卵を持つ時の手の形と比べてみてください。手だけでなく、腕から肩そして体全体から無駄な力が抜けていると思います。この状態から、指先の力、手首からの力、腕からの力、肩からの力、そして体全体を使った力をうまく使い分けて演奏をしますが、たとえトリルの様な細かな動きの中であっても鍵盤を弾いた後は必ずこの状態に戻るようにします。最初は、簡単には出来ませんが、常に“脱力”を意識する事によって次第に無意識に出来るようになってきます。“脱力”の直接的な効果は、音から次の音へとスムーズに移行できるという事や体の力を効果的に使えるという事ですが、この事は、楽な演奏や美しい音色を引き出すことにつながり、また弱い音から強い音までの音の幅も広がってきます。

 来月からは、4回に渡ってベートーヴェンの特集を予定しています。

=== お知らせ ===

スオミピアノスクールの監修もされている、ピアニスト舘野 泉先生が5月30日午後10時からのNHK教育テレビ 芸術劇場「ステージドア」に出演されます。