Little Players News
No.22 2000年 1月
新年あけましておめでとうございます。いよいよ2000年スタートですね。
2000年はバッハYEAR!
今年はバッハ没後250年ということもあり、しばらくバッハについて連載していこうと思っています。
ヨハン セバスチャン バッハの作品 T
「インヴェンションとシンフォニア」
今日、ピアノで演奏されている作品は、実はピアノのために書かれたものではありません。バッハの時代のドイツでは、オルガンを除く鍵盤楽器を「クラヴィーア」と総称し、「チェンバロ」と「クラヴィコード」の2種類がありました。バッハの音楽の特徴はいくつもの声部が独立しているポリフォニー(多声部)なものです。これは合唱のソプラノ・アルト・テノール・バスのパートを一人で演奏する事を想像してみてください。とても難しそうですね! このような音楽を演奏する練習として、バッハが息子たちや弟子たちのために、「最初に何を教えるべきか」という考えのもとに書いたのは、まず右手と左手でそれぞれの声部を弾く2声の「インヴェンション」でした。さらに上達したお弟子さんには3声の「シンフォニア」を。各15曲からなるこの曲集は「アンナ・マグダレーナのための音楽帳」などと並んで、初めに親しむバッハの作品です。私も小学校高学年から「インヴェンション」を習いましたが、カノンのように、追いかけながら出てくるメロディーを意識しながら興味深く弾いていたことを思い出します。シューマンは「バッハの音楽を日々のパンにしなさい」と言ったそうですが、なるほど毎日弾いていても新鮮で飽きることがありません。バッハを弾いていると「調性」の持つ意味がわかってきます。ですからモーツァルト・ベートーヴェン・ショパン・シューマンなどの偉大な音楽家たちもピアノの基礎として、バッハを勉強してきたのでしょうね。
おすすめのCD
「グレン・グールド」 ソニー クラシカル SRCR9171 1963,1964年録音
鬼才の名をほしいままにしたグールド。解釈の独自性において教科書的な演奏とはほど遠いですが、魅力的な演奏です。中学の頃、LPで聴きました。