Little Players News

No.26 2000

新しい環境にも慣れてきた頃でしょう。ようやく、輝かし季節の到来ですね!

ヨハン セバスチャン バッハの作品 X

「無伴奏チェロ組曲」 

皆さんは、アカペラという言葉を聞いたことがあると思います。アカペラとは伴奏の入らないコーラスですが、この曲は、そのチェロ版とも言えます。 1720年頃に作曲されたとみられているこの組曲は全部で6曲あり、そのいずれもが6楽章から成り立っています。組曲の第一曲目は、プレリュード(前奏曲)。その後にメヌエット、サラバンド、ブーレ、ガボット、ジーグなどの5つの舞曲が並びます。爽やかな風を感じるプレリュードに続き、優雅なメヌエットを聴いていると、まるで蝶々になって、ふんわり空を舞っているような気持ちになります。ゆっくりとしたサラバンドでは、気持ちも落ち着いて、組曲の中で重要な存在です。元気で躍動感のあるガボット、陽気でテンポの速いジーグが華やかに終わりを飾っています。

「無伴奏チェロ組曲を聴いて」

今年の一月に初めてチェロのコンサートを聴く機会を持てました。チェリストはミッシャ・マイスキーさん。 TVでよく拝見しており、かねてからコンサートで是非聴いてみたいと思っていました。その出てくる音の輝かしいこと!無伴奏というのは全く一人きりなので、一瞬たりともリラックスできないとのことですが、高い集中力で演奏されるバッハの音楽は、とても“ロマンティック”で、バッハの音楽にもこのような一面があったのかと驚くとともに、その演奏に大変感動しました。マイスキーさんにとって、この曲はチェロ音楽の“聖書”にあたるものということで、果てしのないチャレンジは尽きることがないのだそうです。

おすすめのCD

「無伴奏チェロ組曲 / ミッシャ・マイスキー」

 POCG-10243/4 1999年録音

15年ぶり、実に3度目の全曲録音。「この音楽は地平線みたいなものです。近寄れば近寄るほど、遠ざかるように思える。でも、すべてがそこにつながっているのだと悟れば、不安は消えます。」

この組曲に対する想いが伝わってくるセリフですね!