Little Players News

No.49 2002 4月

暖かくなりましたね。地面から可愛らしい芽がたくさん出てきました。

ロマン派音楽 B

バヘハモベウロシュメショシュリワブ…

今月は「歌曲王」と呼ばれたシューベルトです。


シューベルト

シューベルトは、1797年オーストリアのウィーンに生まれました。14歳の頃から歌曲を書き始め、700曲程の歌曲を書き残しました。ゲーテの詩に作曲した「魔王」「野ばら」などが有名で皆さんもご存じだと思います。1823年に「美しき水車小屋の娘」、1827年には「冬の旅」といった名歌曲集を作曲しました。シューベルトの作品は、宝石のように美しい音楽でしたが、当時の人々にはあまり理解されず、貧しい一生を送りました。1827年、少年時代から尊敬してやまなかったベートーヴェンが亡くなると、そのショックで体調を崩して1828年わずか31歳の若さでこの世を去りました。



魔王

シューベルトが18歳のときに作られた「魔王」はゲーテ(1749〜1832)の詩に作曲されたものです。 

『嵐の夜、魔王に連れ去られそうになっておびえる子供をしっかりと抱いた父親が、家に向かって必死になって馬を走らせる』という場面。子供には魔王が見えていて、魔王の声も聞こえてくるのですが、父親には見えず、風の音にしか聞こえません。しかし、家に帰り着いてみれば、その子は腕の中で息絶えていたという悲しい結末を迎えます。

私の中学3年間の担任が、音楽の先生だった事もあり、音楽の授業が特に思い出深く残っているのですが、シューベルトの有名な歌曲「魔王」を音楽鑑賞で聴いた時の迫力とストーリーの恐ろしさは今でも忘れることなく残っています。低音の無気味な3連符で始まり、そのリズムに乗った風のざわめきのような音。 魔王が背後から迫ってくるような気がして背中がゾクッとしました。授業の始まりには3曲リクエストして歌うのですが、それ以来、毎回「魔王」がリクエストされるようになりました。 演奏も大変な曲なので、好きな曲のリクエストに喜びながらも、必死にピアノを弾く先生の姿が目にやきついています。