Little Players News

No.51 2002 6月

爽やかな初夏の風が心地の良い季節となりましたね。

ロマン派音楽 D

バヘハモベウロシュメショシュリワブ…

今月は「ピアノの詩人」と呼ばれたショパンの登場です。


ショパン

ショパンは1810年ポーランドの首都ワルシャワ郊外のジェラゾヴァ・ヴォーラという小さな村に生まれました。20歳までポーランドに育ち、ピアニスト、作曲家として活躍していましたが、ポーランド革命の起こる数日前、ワルシャワを永久に後にしてパリに行きました。ショパンはフランスに住みながらも、祖国ポーランドを愛し続けました。パリの社交界を舞台として活躍したショパンは、1849年、結核で亡くなりました。
39歳という若さでこの世を去った天才ショパンは、その生涯で作曲したほとんどの作品がピアノ曲でした。


《雨だれの前奏曲》

1836年、リストの夜会でショパンは女流作家のジョルジュ・サンドに出会いました。男装の麗人であるサンドを最初は快く思わなかったショパンですが、次第にサンドに惹かれ愛し合うようになります。しかし年上のサンドには離婚暦があり、二人の子供もありました。1838年には、肺結核に冒されていたショパンの健康を考え、またパリでのスキャンダルを裂けるためにスペインのマジョルカ島へ逃避行します。しかし、カトリックの国スペインの田舎村は、決して二人を暖かくは迎え入れませんでした。 その上、マジョルカの冬は冷たい雨が降り、療養に向いた気候ではなく、ショパンの病状は一向に良くなりませんでした。 そんな時期に、雨漏りのするバルデモッサの修道院で、ショパンは「雨だれ」を作曲しました。現在この部屋には、ピアノ、楽譜、書簡などの遺品とともに、ここで作曲された「雨だれ」の手書き原譜も保存されているという事です。失意の内に過ごしたマジョルカ生活をサンドは「マジョルカの冬」という本に書き残しています。