Little Players News

No.69 2003 12月

今年も残りわずかとなりましたね。皆さんにとってどんな年でしたか?

いつか弾いてみたい憧れの曲 A 

今回は、私が子どもの頃にレッスンを受けた曲で、特に印象に残っている曲についてお話ししてみたいと思います。

アラベスク第1番(ドビュッシー)
「アラベスク」とは「アラビア風の」という意味を持ち、アラビアの工芸品や建築物に見られる唐草模様を指す言葉です。アルペジオの美しい動きが織り成す曲想の第1番は、優雅で洗練された味わいに満ちています。

☆想い出
中学2年の時でしたが、とにかく音の響きに感銘して、今まで見たことのない音の世界に夢中になりました。音楽に対する気持ちや考えが大きく変わってしまう程の出会いでした。 その時のレッスンでは残念ながら1番だけでしたが、「2つのアラベスク」は1番の優美さ、2番の躍動的な音楽の両方を楽しみたいですね。皆さんには是非2曲チャレンジしてもらい、その対照的な音楽を楽しんで欲しいと思っています。

「幻想小曲集」第2番 飛翔(シューマン)
「幻想小曲集」は1837年に作曲された、シューマンのロマン的なファンタジーがもっとも親しみ深く、美しく響き出ている作品です。中でも有名な第2番はドイツ語では「Aufschwung」で 熱望、切望っと言った意味だそうですが、日本では「飛翔」と訳されています。インパクトがありエネルギッシュな冒頭、浮遊感のあるリズムには、「飛翔」という訳がピッタリだと思います。

☆想い出
中学3年の時、担任だった音楽の先生に、学校の記念式典で弾いてみないかと言われ、演奏する事になった想い出の曲です。屋内運動場で演奏したのですが、男子生徒が気をきかせたつもりで、色とりどりのライトを鍵盤上に当てて、鍵盤の色が目まぐるしく変わり、普段どおりの演奏が出来なかった事。後で、その男子生徒が私にあやまりに来てくれた事などを今でも鮮明に覚えています。よく先生が「目をつぶっても弾けるように!」とおっしゃっていましたが、この時は、別の意味で、そのことに納得したものです。