Little Players News
No.75 2004年 6月
あちらこちらで華やかに咲き乱れる花々が美しい季節ですね!
音楽の3大要素 A
音楽の3大要素であるメロディー・リズム・ハーモニー。今月は、メロディーについてお話したいと思います。
メロディー
メロディーは、音楽の顔ともいえる存在で、メロディー(旋律)の美しさは、その曲の最大の魅力ですね。メロディーはリズムと一緒になって、フレーズを作っていきます。フレーズは、私たちが文章を読むときと同じように、棒読みでは面白くありませんので、演奏する時には、速さや強弱に自然な変化を付けます。これをフレージングと言います。基本は、4小節で文章の読点(、)、8小節で句点(。)にあたり、句点に向かって自然に弱くなります。また、メロディーがだんだん高くなるときは音が強くなります。クレッシェンドですね。反対にだんだん低くなるときは弱くなります。ディクレッシェンドです。曲のクライマックスでは、テンポが速くなったり音が強くなったりし、そこからおしまいまでは、反対にだんだん遅くなり、音も弱くなっていきます。すべての曲がそうだというわけではなく、フレーズに正解というものはありませんので、楽譜をよく読んだり、作曲者がどんな気持ちでその曲を書いたかを調べたりしながら、フレーズを工夫する事が大切です。
『ピアノの詩人』と言われるショパンは、ピアノは歌うように演奏しなさいと、弟子たちに教えていたそうです。 「ショパンが弾くと、フレーズは歌のように聞こえました。 それは、まるで(詩の)朗読のようなものだった」と、弟子は語ったそうです。皆さんも、ソルフェージュで同じ事を勉強していますね。音を読んだり、歌ったりしながら弾くと、感情がこもった魅力的な音楽になります。反対に、ただ音符を順番に弾いただけでは、少しも面白くない演奏になってしまいますね。 弾くことばかり考えてしまうと、「歌う」という事を忘れがちになりますが、実際に歌ってみることによって、自然な感情表現ができ、魅力的な演奏につながっていくことでしょう。プロのピアニストの演奏を聴く機会があれば、手元だけでなく、口もとにも注目してみてください。歌いながら弾いているピアニストは結構多いものです。激しい曲では歌と言うより唸りながら弾いている人もいて、面白いですよ。