Little Players News

No.77 2004 8月

暑さに負けず、爽やかに音楽しましょう!

ペダルについて 

もしもピアノにペダルがついていなかったら、ピアノの魅力はずいぶん変わっていたことでしょう。ペダルの機能があるからこそ、多彩で美しい響きを自由に作ることができるのです。ペダルは、もちろん足で踏みますが、足ではなく「耳で踏む」とも言われています。「耳で踏む」? この音で踏んでここで放す。というような決まりではなく、音の響きをよく聴いて、踏むということです。

3種類のペダル

グランドピアノのペダルは3本あります。

右のペダルはラウド・ペダル。真中はソステヌート・ペダル。そして一番左がダンパー・ペダルで弱音、ソフト・ペダルとも言われています。

右のラウド・ペダルは音を重ねたり、音をつなげたり、瞬間的に強く弾くアンセントペダルなど様々な役割を持つペダルです。

真中のソステヌート・ペダルは、ラウド・ペダルのように音を重ねるペダルではなく、特定の音を目立たせる効果があります。しかし、右のペダルほど使われることは少なく、長いことピアノを習っている生徒さんでも使ったことがない方は多いと思います。私はドビュッシーなどの作品で、よく使いますが、これもピアノごとに効果の差が大きく、実際にステージで使うのは勇気がいるペダルでもあります。ちなみに、アップライトピアノの真中のペダルは夜間など、音を弱くしたい時に使うペダルで、グランドピアノとは全く違うものです。

左のソフト・ペダルは、楽譜にはよくuna corda(ウナ・コルダ)と書いてあります。グランドピアノの場合、このペダルを踏むと鍵盤全体がずれて、3本の弦のうち2本にだけハンマーが当たるようになります。 音色を柔らかくしたり、暗くしたりする効果があり、演奏に明暗の変化をつける場合などに使います。

ペダルはただ楽譜の指示通りに踏めば良いとは限りません。その曲にふさわしいペダルを工夫して、よりファンタジーな演奏ができるように、"耳で"(良く聴いて)、そして"頭で"(良く考えて)踏みましょう。