Little Players News

No.84 2005 3月

少しづつ春の足音が聞こえてくるようですね。

もっと楽譜を読もう D 

1月号で「調性」についてお話しましたが覚えていますか? レッスンの時、「この曲は何調ですか?」と質問すると「そんなのわかって何になるの?」と思っていた生徒さんも、少し考え方が変わってきたのではないでしょうか? 曲に入る前にその曲の調をわかった上でそのスケール(音階)を弾いてみると、その曲が弾きやすくなり理解も深まるのです。
今月は「スケール」についてお話したいと思います。

「スケール(音階)」
 スケールとは簡単に言ってしまうと、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」のことです。 と言っても音名の事ではありません。 「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の、どの音から始まって、どの音に♯や♭が付くかを表したものがスケールです。 例えば、ト長調のスケールは、「ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ♯・ソ」ですね。 では何故 ♯や♭が付くのでしょう? それは、始まりの音が全体の響きの中心として聴こえるようにという事と、以前お話した、曲が明るい感じか、暗い感じかを変えるためなのです。 中心の音(主音)があって、明るい(長調)、暗い(短調)があるのです。 これから弾く曲が何調だという事がわかって、そのスケールがスラスラと弾ければ、演奏も楽しくなると思いませんか? 曲を弾こうと思ったら、いったいどんな曲なのだろうかと想像しながら、まずその曲の「調」のスケールを弾いてみてください。 新しい曲だけでなく、何度も練習している曲も、毎回の練習の前にスケールを弾いてみてください。
気持ちと指のウォーミングアップです。

「テトラコード」
テトラコードとは、4つの音のかたまりです。これを使うと面白い事がわかります。ハ長調を「「ドレミファ」と「ソラシド」の4つずつに分けます。この4つずつの各音は、『全音・全音・半音』の関係、下の4つと上の4つの間は全音でつなぐのがルールです。さぁ鍵盤に向ってゆっくり試してみてください。 ルールを守ったまま、上の4つの上に新しく4つの固まりを作ってください。「ソラシド」「レミファ♯ソ」って感じです。ルールを守るためには、ファに♯が付くのがわかりますか?。 ほら、ト長調になりました。 もう一回やると、♯が2つになって、ニ長調です。 ここで質問。 ♯が3つの長調は? そう、テトラコードを3回動かして、「ラシド♯レ」「ミファ♯ソ♯ラ」だからイ長調ですね。 実はハ長調からルールを守りながら下に動かすと「ファミレド」「シ♭ラソファ」というへ長調の下行形になり、今度はフラットが1つづつ増えていくのですよ。 面白いですね。