Little Players News

No.116 2007 11月

ひと雨ごとに寒くなってきました。季節の変わり目です、体調に気をつけましょう。

練習曲③

今月は、たくさんの素晴らしい練習曲を作った、ツェルニーについてお話したいと思います。

カール・ツェルニー

ツェルニー(1791~1857)は、ウィーンに生まれ、ピアノ曲をたくさん書きました。 その中でなんといっても有名なのは、皆さんもよく練習している“練習曲(エチュード)”です。 他の作品は残念ながら、ほとんど忘れられています。 ピアノ教師としても大勢の弟子を育てました。なかでも31歳のときに出会った11歳の天才少年リストは、ツェルニーの家に一緒に住んで、毎日猛特訓を受けました。 リストが「ピアノの魔術師」になれたのも、育ての親ツェルニー先生のおかげかも知れませんね。 そのツェルニー自身は9歳のとき、父親に連れられてベートーヴェンのもとを訪ね「悲愴」ソナタを弾いて気に入られ、弟子になりました。 ベートーヴェンから高く評価されたツェルニーは、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」のウィーン初演のソリストに選ばれました。

ツェルニーの思い出

小学校低学年の頃にレッスンで与えられた練習曲100番は、子供心にも面白いと感じた事がなく、練習不足でレッスンへ通っていましたが、小学校4年生の頃から始まった30番の練習曲から、少しずつ、その面白さがわかってきました。 レッスンで丸をもらうためには、暗譜ができていること、その曲のテンポを感じて流れの良い演奏ができることなどでした。 とても集中力が要りますが同時にやる気も引き出してくださって、「よーし、今日は絶対に合格するぞ!」と、意気込んで先生に聴いて頂きました。 ツェルニーが進むに連れ、どんどん面白い曲が弾けるようになりました。  当時のお気に入りはランゲの「花の歌」。 ソナチネアルバムも楽しい曲集でした。 40番になると、ぐっと難しく曲もゴージャスな感じです。 50番は専門家になるために必要な課題がたくさんあり、この練習曲をレコーディングしたあるピアニストは、リストの作品が弾きやすくなると実感されたそうです。 流石はリストの先生なのだなと、大変興味深いお話でした。