Little Players News

No.121 2008 4月

新学期ですね。張り切っていきましょう!

練習曲(エチュード)⑦

今月からピアノの魔術師といわれたリストの練習曲について、お話したいと思います。

パガニーニによる大練習曲

フランツ・リスト(1811~1886)にまつわる有名なエピソードのひとつに、彼が20歳の1831年にパリで天才ヴァイオリン奏者ニコロ・パガニーニ(1782~1840)の演奏を聴いて、その驚くべき高度な技巧と素晴らしい表現力に圧倒され、感激のあまり「私はピアノのパガニーニになる」と叫んだとう話があります。 実際、リストはピアノの超人的な名手となり、その技巧と表現力を発揮させるべく、自身で数々の難曲を作曲しました。 この曲集は、「パガニーニによる超絶技巧練習曲」として1838年に作曲されましたが、今日よく演奏されるのは1851年の改訂版です。 リスト自身のピアノ技巧の限界に挑戦したような、また、新しいピアノ演奏法をも盛り込んだ難技巧の作品となっていますが、決して技巧のみを追い求めたものではなく、音楽的にも十分に磨き上げられたもので、その後の技巧派ピアニストたちの重要なレパートリーとなっています。 


第3番 『ラ・カンパネラ』 嬰ト短調

「鐘」をイメージさせる高音のピアノの音色が特に美しい曲で、この曲集中最も有名です。 パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調の第3楽章が原曲です。

 2002年の発表会で演奏しました。 子供の頃から憧れていたピアニスト、アンドレ・ワッツの演奏に感動して、いつか弾けるようになりたいと思っていた憧れの曲です。 とても綺麗な曲ですが、跳躍が大きく、またキラキラとした輝きのある鐘の音を奏でるタッチ、クライマックスで爆発したように和音を演奏するスタミナを要求される難曲です。


第6番 『主題と変奏』 イ短調

「カプリース」の第24曲が原曲です。 11の変奏とコーダという形で書かれています。 この主題に魅せられて、シューマン、ブラームス、ラフマニノフなども変奏曲を書いています。

 2005年の発表会で演奏しました。主題が次々と華麗に変奏されていく過程に魅了されました。手が小さい私には大変な難曲でしたが、この曲にチャレンジした事は大きかったと思います。リストの才能を改めて実感し、もっとリストの事を知りたくなり、東京でのリストセミナーにも参加いたしました。