Little Players News

No.129 2008 12月

今年も残り少なくなってきましたね。みなさんにとって、どんな年でしたか?

練習曲(エチュード)⑬

今月は、200曲以上の数多くのピアノ小品を残したドイツの作曲家モシュコフスキーついて、お話したいと思います。

モーリッツ・モシュコフスキー

 モシュコフスキー(1854~1925)は、ポーランド出身でユダヤ系のピアニスト・作曲家・指揮者。 ポーランド語ではマウリツィ・モシュコフスキー。 モーリッツとはドイツ語名です。 モシュコフスキーの作品は高度な技巧と豊かな音、優雅な旋律を持ちあわせ、ウイットに富んだサロン風のピアノ小品がたくさんあります。 代表作に巨匠ホロヴィッツがアンコールでよく演奏した「火花」。 そして、連弾の「スペイン舞曲集」などがあります。

20の小練習曲

 20曲からなるこの小練習曲作品91もまたモシュコフスキー独特の旋律の美しさに溢れ、流麗で軽快なリズムを持ち、魅力的な練習曲です。先月号でお話したクラマー=ビューロの練習曲と共にショパンの練習曲に入る前の練習曲集として知られています。 特色として、美しい演奏に欠かせないレガート奏法(なめらかに演奏する)を重視しています。 
第1部の10曲は、すべてレガート奏法。 第2部からは、ノン・レガートやレジェーロ奏法(軽やかに演奏する)が加わり、より多様性を増しています。
♪この曲集はピアノ講師になってから練習を始めました。 技術的に楽に弾けて短いのでウォーミングアップに最適です。 「歌うこと」の要素が強く、ショパンやシューマンなどのロマン派の音楽を演奏するうえで非常に役立ちました。

練習曲のまとめ
 1年以上にわたり練習曲(エチュード)について、お話してきましたが、みなさんにとって「練習曲」とは、どんな存在なのでしょうか? 日本では古くから「バイエル」が使われ、私も子供の頃に「赤いバイエル」と「黄色いバイエル」を中心にレッスンで受けました。 現在、私がレッスンで使っている中で人気がある楽譜は「ピアノランド」ですが、絵が可愛らしく、歌詞が付いていますので曲のイメージがふくらみ、また伴奏にのって正しいリズムで楽しく演奏できる点が良いですね。 そういう意味で「バイエル」は、子供たちにはちょっと古めかしい教材のように思いますが、ある程度進んだ大人の生徒さんのレッスンでは、「バイエル」の後半の曲は美しい曲が多く人気があるのも興味深いです。 
さぁ、ピアノに向かって、まず練習曲を弾いてみましょう!