Little Players News
No.146 2010年 5月
ようやく暖かくなってきましたね。これからお花や緑が美しい季節。お散歩が楽しいです!
ピアノ Q&Aコーナー④
レッスンではよく言いますが「目(視線)は楽譜」。 第4回目の今月は、 鍵盤を見ていないと不安で楽譜を見ながら弾けないという悩みについてです
楽譜を見ながら弾けるようになるには? 投稿者 S.M ピアノ歴 8年
Q. 「楽譜を見ながら弾けません。特に和音を正確に覚えるのに時間がかかります。また、重音の連続が上手くできません」
A.
“耳コピー”などとも言われる「聴き覚え」が得意なSさんですが、楽譜を読むのが少し苦手のようです。
原因はまさに「聴き覚え」にあると思います。
楽譜を見ながら弾くというのは、目で情報を読み取り、それを指に伝達していかなければなりません。
慣れるまでは、大変な作業です。
まだ鍵盤の感覚がよく分からない習い始めの頃は、間違えることが不安になり、
鍵盤ばかり見て、弾く練習を優先してしまいたくなります。
習い始めの頃のやさしい曲では音が少なく、すぐに覚えられるのですが、
ここで覚えて弾く癖がついてしまうと、楽譜を読むのが苦手になり、テキストが進むに連れ苦労することになります。
難しい曲の段階でこれに気づくと大変ですが、それでも、日頃から楽譜に親しみ、
楽譜を読みながら弾く練習をすることで、どんどん楽譜を読むのが楽になりますよ。
楽譜を見ながら弾く練習のつもりで、スケールや、以前に習った曲を弾いてみるのも良いでしょう。
鍵盤を見ないで弾きましょう
初めての楽譜を、見ながらすぐ弾く事を、「初見演奏」と言いますが、
楽譜を見ながら弾くことが苦手な人は、「初見」も苦手な人が多いです。
克服する第一歩は、読譜ではなく、「鍵盤の感覚を覚える」という事です。
弾く前に、まず「ポジション(弾く位置)」を確認して鍵盤に指を置きましょう。
もちろん、その時は鍵盤を見ます。 それから楽譜を目で追いながら、
鍵盤を見ない弾く練習をしましょう。
難しい時は、右手も左手も、ドレミファソの位置に置いて、ド・レ・ミ・ファ・ソと順に見ないで弾くようにしてみましょう。
「暗譜」に至っていない「だいたい覚えた」の段階で楽譜を見ないで弾くと、
間違って覚え悪い癖が付いてしまうので要注意です!
オクターブの感覚を覚えましょう
まだ手の小さい人は上に書いたド・レ・ミ・ファ・ソの位置で感覚を覚えます。
オクターブの届く人は、その感覚を覚えましょう。
人は、顔がそれぞれ違うように手の大きさも違います。
ですから鍵盤に対する自分の手の感覚を知る事が楽譜を見ながらスラスラと弾ける秘訣です。
指や鍵盤を見ないようにして、たとえ音をはずしても、手の感覚で音を見つけて弾いてください。
少しずつ感覚は磨かれていき、見ないで弾ける鍵盤の領域が増えていきます。
和音や重音などの複雑な動きも同じように、感覚のみで弾けるようになります。
曲の中でも、一気に弾けるフレーズでは、あらかじめ指を置いてからフレーズを弾くようにすれば、
違う音を弾いてしまうこともありませんね。
その連続で曲を演奏する事を考えてみてください。
フレーズからフレーズへできるだけスムーズに、指をつなげていくかを工夫してみましょう。