Little Players News
No.164 2011年 11月
秋も深まって、紅葉が綺麗ですが、そろそろ冬支度かなと思う今日この頃です。
フランツ・リスト生誕200年 ①
昨年はショパン生誕200年で世界中がフィバーしましたが、ショパンの1歳年下のリスト(1811~1886)は、ショパンが39歳で亡くなったのに対し、75歳と長生きしました。 リストは少年時代に、ベートーヴェンの弟子で、たくさんの練習曲を書いたカルル・ツェルニーに弟子入りしました。 しかし、わずか18ヶ月後には「もう教える事は何も無い」と言われるほどの天才少年でした。 リストは9歳の時からピアニストとして活躍し、12歳でパリにデビューしました。 「かわいいリッツ」と呼ばれ、すぐに人気者になったそうです。 小さい頃からスターだったのですね。
2人の天才に出会う
ニコロ・パガニーニ
リストは20歳の時、パリでヴァイオリンスの名手パガニーニ(1782~1840)の演奏を聴き、深い感銘を受けました。 パガニーニの演奏は「悪魔に魂を売って、あの超絶技巧を手に入れたに違いない」と言われるほどの凄まじいものでした。 リストは「ピアノのパガニーニ」になる決心をして猛練習をしたそうです。 皆さんもご存知の「ラ・カンパネラ」の原曲はパガニーニのヴァイオリン協奏第2番の第3楽章なのです。
フレデリック・ショパン
「ピアノの詩人」と言われるショパン(1810~1849)の演奏を聴いたのは、リストが20歳の時。 ショパン特有の詩的で繊細な美しい世界に深い感銘を受けました。 リストは、ショパンが亡くなった後もずっとショパンの作品を愛し、演奏会で好んで取り入れたり、多くの弟子たちにショパンの作品を教えて、ショパンの曲は広く世界に知られる事にもなりました。 一方ショパンはリストが作曲家たちの作品を自由に編曲する事をよく思っていなかったようですが、リストの演奏技巧は絶賛していました。 エチュード(練習曲)作品10は、リストに献呈しています。 リストはどんな曲でも初見で演奏してしまう程の腕でしたが、この作品を練習するためにしばらく身を隠した程だったとか。 しかし、ショパンの前に現れたリストは、ショパンが羨むほどの演奏をして、ショパンを驚かせました。
現在の「リサイタル」を築いた
19世紀半ばまでは、歌やオーケストラの演奏と一緒にピアノ演奏がプログラムに組まれていましたが、リストはロンドンの演奏会で初めてピアノだけのリサイタルを開きました。 リストのリサイタルでは、演奏を聴いて感激のあまり気絶する人が続出した程だったそうです。 まさに「ピアノの魔術師」といわれるリストならではですね。