Little Players News

No.174 2012 9月

いよいよ発表会ですね。怪我や病気などの体調管理に気をつけて、素敵なステージになりますように最後の仕上げに取り組んでください。

今月は紹介コーナーをお休みして、発表会のプログラムより抜粋して曲のご紹介を致します。

音の星座(湯山 昭)

童謡「あめふりこまのこ」や「おはなしゆびさん」の作曲者である湯山 昭さんのファンタジー溢れる作品集です。ベストセラーの「お菓子の世界」よりも、ちょっと大人っぽいムードがあります。

子供の情景(シューマン)

 “子供の”というタイトルがついていますが、子供が簡単に演奏できるといった曲集ではなく、大人から見た子供の様子を描写したもので、ドビュッシーの「子供の領分」と気質が似ています。シューマンは、とても子供好きだったようで、この曲集が完成した1838年、ピアニストである妻のクララに「きっと、あなたも気に入ってくれるでしょう」という手紙を書いています。第7曲の「トロイメライ」が有名ですが、どの曲も高度な表現力を要求されます。

ワルツ第14番ホ短調(ショパン)

ショパンは生涯に19曲のワルツを書いたといわれていますが、この作品は人気があり、全音ピアノピースからも出版されています。ホ短調からホ長調に変わる時の甘美で優雅な調べはショパンならでは。ドラマティックで演奏効果の高い曲です。

熊蜂の飛行(リムスキー=コルサコフ)

 ロシア五人組の作曲家コルサコフのユニークな作品です。元々は、プーキシン原作の歌劇「サルタン皇帝の物語」の間奏曲で、魔の島に海を飛び越えて飛んできた熊蜂の群れが、白鳥を襲おうと飛び回る場面で使われたそうです。ピアニストがアンコールで好んで演奏する曲です。映画「シャイン」で主人公が興に乗って弾くシーンが、とても印象的です。

ベルガマスク組曲より「月の光」(ドビュッシー)

ドビュッシーの初期のピアノ曲集の傑作。「ベルガマスク」とは、ドビュッシーが留学中に訪れた北イタリアのベルガモ地方の舞曲「ベルガマスカ」に由来します。最も有名な第3曲「月の光」は、水面に輝く月の光を美しく描いています。

前奏曲 嬰ハ短調 Op.3No.2「鐘」(ラフマニノフ)

1829年に作曲された「幻想的小品集」は、ラフマニノフがモスクワ音楽院を卒業した翌年の作品で、最初に出版されたピアノ曲です。第2曲の「鐘」は、クレムリン宮殿の大小様々な鐘の音にインスピレーションを得て作曲されたドラマティックで重厚な名作です。この作品は爆発的にヒットしましたが、当時、貧困だったラフマニノフは出版社にとても安い金額で売り渡してしまい、出版社だけが大儲けしたそうです。

ヴォカリーズOp.34No.14(ラフマニノフ作曲/アール・ワイルド編曲)

ヴォカリーズとは歌詞のない母音だけで歌われる歌曲の総称ですが、今日では「ヴォカリーズ」といえば、ラフマニノフの曲と思われているほど有名な、美しい作品です。この魅力的な歌曲をピアノ独奏版として、アラン・リチャードソン、ゾルダン・コチシュなどが編曲していますが、今回ご紹介するアール・ワイルド編は、技巧的にもかなり難しくピアニスト向けの編曲で、しかもカデンツァまで付いているという華麗な作品に仕上がっています。

発表会の演奏録画について

反省会の時に、教室のスタッフが撮影してくれたビデオ録画を生徒さんと一緒に観ますが、この時にお手持ちのブルーレイディスク、ビデオテープ(VHS)などをお持ちいただければ、本人の演奏のみ、ダビング致します。