Little Players News

No.176 2012 11月

急に寒くなりましたが、暖かくして風邪をひかないように気を付けましょう。

今月はロシアの偉大な作曲家チャイコフスキー(1840~1893)についてお話したいと思います。

チャイコフスキー

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーは、モスクワから約700㎞ほどのヴォトキンスクに次男として生まれました。 チャイコフスキーの生まれた時代に音楽を職業にする音楽家は、まだ少なく、チャイコフスキーも超エリート校である法律学校に入学し、在籍中に本格的にピアノを習ったそうです。 法律学校ではありますが、音楽の環境に恵まれた学内で、次第にチャイコフスキーの音楽への情熱が熟成されていったのでしょう。 19歳で立派な成績で法律学校を卒業した後に法務省に在籍しています。 法務省で働きながら22歳でサンクトペテルブルク音楽院に入学しました。 卒業後はモスクワを活動の拠点としました。 三大バレエ音楽、交響曲、協奏曲など多くの作品を書いて53歳で生涯を終えました。

ピアノ協奏曲 第1番 Op.23

クラシック音楽を聴かない人でも、冒頭のメロディーを口付さむと、すぐに分かる曲だと思います。 ホルンが雄大にメロディーを奏でる、華麗で聴く人を虜にするような力強い冒頭は本当に魅力的です。 主役のピアノが、和音を弾いてオーケストラの伴奏として入ってくるというのは歴史的にも例のなかった大胆な試みで、当時は誰もが意表を付かれた事でしょう。 チャイコフスキーは1847年から作曲に着手し、1875年に完成しています。 恩師であるニコライ・ルビンシテインが「全部破棄するか全く新しく書き直した方が良い」と酷評した事に対し、チャイコフスキーは「一音も直さない」と言ったのは有名な話です。 後にルビンシテインは、自分の非をチャイコフスキーに謝り、モスクワでの初演を申し出たと言われています。
ピアノ協奏曲の中でも抜群に人気の高い作品です。 みなさんも、是非、聴いてみて下さい。