先日、ケマル・ゲキチ氏のリサイタルを聴いてから3枚のCDを購入した。問題のショパンコンクールの直後にレコーディングされた
若き日の演奏。ん~、どうしてこれで落選なのか・・とショックになるほど素敵なショパンだ。
これだけ雄弁にかつ繊細に語れるピアニストは少ないと思う。コンクールという場ではコンクール向きの演奏があるのでしょうねぇ。
票が真っ二つに分かれる程の個性。ある審査員は意見が通らなくて、審査員を辞退して抗議したという。
ポゴレリッチが落選した時、アルゲリッチが怒って審査を辞退したという事もあった。才能が有りながら、聴衆に圧倒的に支持されても
その時の審査員の顔ぶれで決まるわけだからコンクールって?!と思う事がある。
高校の時。ワッツのファンだった私は、レッスンとコンサートが重なるのでレッスンをお休みさせてくださいと先生に頼んだのだが
「あんな野蛮な演奏を聴きにいくのか」と叱られた。即答で「行きます!」と答えたので呆れられて、もう何もおっしゃらなかったけれど
個性的なピアニストは、特に日本では受け入れられないのではと思った。それは、あのレッスンが最初の事だった。