桃の節句ということで、教室に来た女の子に聞くと、ほとんどの生徒さんがお雛様を飾ってお祝いするのだそう。
私は子供の頃、ボーイッシュだったのもあり、お雛様に全く興味が無く、お雛様を欲しいと思った事は一度もなかった…
近くに住む従姉妹の家では豪華なお雛様が飾られ、毎年お雛様パーティーにお呼ばれして、叔母が作ってくれるお稲荷さんとかちらし寿司を食べる事だけが嬉しかったのを覚えている。(^^;
父親の趣味なのかケースに入った豪華な日本人形が怖かった。それが何故か子供部屋に置いてあり、寝る時に電気を切ると、ケースの中の人形が活動を始めるような気配を感じていた。だから、おトイレに行くとき、その人形の前を通って行くのが怖くてたまらなかった。
ある夜、ケースの中の人形は確かに向きを変えていた。そして、朝になると元の位置に戻っていた。弟も同じ事を言うので間違いないのだと思う。夢だったのかも知れないが、ふたりとも同じ夢を見るだろうか….。とにかく毎晩、人形と一緒の部屋で寝るのが怖くて、その人形を撤去してもらうように父親にお願いした。理由を聞かれたら何て言おうかと思ったが、父は「分かった」とだけ言い、人形を知人の家に預けたようだ。私たちは安堵した。しかし、またしても新しい人形がリビングに置かれた!頂いたものなのだそうだ….。私たちは、なるべく顔を見ないようにしていた事を覚えている。頂いたものと聞いていたが、高級な洋酒、骨董品、そして人形。それらを集める事が父親の趣味だったのかも知れない。子供の頃は全く考えもしなかったけれど、今ふとそう思った。