コーヒータイムに久々にマルタ・アルゲリッチのショパンを聴いた。24のプレリュード、バルカローレ、英雄ポロネーズ、スケルツォ第2番などが入ったかなり古いアルバムだけれど、小気味良い。そう、アルゲリッチの演奏ってキレのある力強いタッチの中にハッとする繊細な音が魅力なのだなぁと改めて思います。
ショパンの装飾音は原則として拍の頭に合わせて弾きますが、全てこの奏法でというのは無理じゃないかと思う曲もあります。例えばノクターン第8番Op27-2などでは少し前に入れないと演奏困難な箇所があって、これを拍の頭で弾くとしたら大変忙しくて、優雅に演奏できません。本当、ショパンの演奏って難しいですよね。
アルゲリッチの弾く「バルカローレ」が気に入りました。ショパン晩年の傑作ですが、哲学的で難曲。さり気なく出てくる重音トリル!上から入れた方が綺麗ですね。後半の和音がゴージャスで、とにかく難しい。頭をフル回転させないと厳しいですが、アルゲリッチの演奏は、かなりテンポが速く力強く、そしてクリアです。今年は、この曲を優雅に演奏したいです。