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ショパンとサンド 対照的なふたり

午前と午後のレッスンでした。ちょうど10時からチケット発売時間とレッスンが重なったため、はじめさんにお願いした。そのかわり席は任せるからと。かぶりつきで見たいとかで前の方を入手したようだ。オールショパンで勉強中の「舟歌」もプログラムに入っている。

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ショパンとサンドの出逢いは面白い。繊細で女性的な作曲家ショパン。男性的な小説家のサンド。最初、ショパンはサンドを快く思っていなかったようだが、次第に惹かれていく。そして、パリの社交界からマジョルカ島への愛の逃避行。病的なショパンのために療養にと選んだマジョルカ島だったが、気候も湿気もショパンには合わなかった。(以前の記事:マジョルカ島でのショパン)サンドの2人の子供もショパンに懐かずに、湿っぽい空気のマジョルカ島でショパンは孤独だったのかも知れない。有名な「雨だれのプレリュード」はマジョルカ島で作られたのだが、中間部の重々しい和音はショパンの心情を物語っているように感じる。パリに戻って、ショパンとサンドの距離は次第に広がって破局へ。ショパンはサンドとの破局から、急激に体調が悪化していった。ショパンは死ぬまでサンドの髪の束を日記に挟んでいたという。体力が衰弱し始める辛い日々だったが、ショパンは「幻想ポロネーズ」と「舟歌」という傑作を生み出した。ショパンの最後の傑作、白鳥の歌となった。

ドラクロワの有名な絵。もともとはショパンとサンドが同時に描かれた作品だったけれど、後に別々の絵に切り分けられたという。サンドはショパンが危篤の時、見舞いに尋ねたのだが、ショパンは会わなかったという。ドアの前でうなだれているサンドの絵を東京の府中で観たことがある。なんだか、とても悲しい気持ちになった….

だからなのか「舟歌」を弾いていると、優雅で美しい曲なのに、とても哀しい気持ちにもなる。愛が壊れたからこそ生み出された作品なのだなぁと、しみじみ思う。失恋の曲だったのだ。

みかこ