日本のピアノ教育は今でもバイエル中心なのかしらね?ピアノは88鍵もあるのに、狭い範囲だけしか使わない。ましてやペダルを使うなんて習って何年も先なんて事を今でも平気でやっているのだとしたらナンセンスだと思う。

友人に誘われて、「スオミ・ピアノスクール」の研究会に参加したのは10年以上も前の事。札幌へ何度も通って勉強した。驚いたのは、最初からピアノの鍵盤をフルに使う事。
ペダルもグリッサンドもフラジオレット(無声音)も、フラット6つは黒鍵だという事も。

初歩の段階から調号にシャープやフラットがいくつも出てくる「楽しい動物曲集」。
研究会で紹介され100冊購入した。一見、もの凄く難しい楽譜に見えるのだが、5歳や6歳の小さいな子でもペダルを使って平気で弾けてしまう画期的な楽譜。ただ今は入手出来ない状態なので非常に残念。

「スオミ」とはフィンランドの意味で、監修は、かの舘野 泉氏。この接点にも実に驚いた。日本のピアノ教育は、ピアノという楽器の魅力をほとんど教えずに、ひたすら楽譜から入るけれど、「スオミ」は、ピアノは何で出来ている?ピアノの蓋を開けて中を見た事はある?

ピアノには弦が3本あって、それをハンマーが下から打ち鳴らしているんだよ。
ペダルを踏むとどうなる?イメージから高低、低音、音域全て、そしてペダルを使って創作するなんて事は私は小さい時に習わなかった。やはりバイエルの時代の子だった。

移調奏も、フレージングも、スタッカートの音の出し方も、そして、最も重要な脱力も
最初からきちんと教える点が素晴らしく、カルチャーショックを受けた程。
友人には、とても感謝している。

ピアノは楽器の王様。そのピアノを素敵に演奏するのは難しいけれど、
そこがまた良いのだ。ビデオを見て少しづつ改善していくのもまた楽しい。
良いフォームで、良い響きで、自分の音をよく聴き、
ピアノが好きで長く続けていく生徒さんを、これからも育てて行きたいと思う。

みかこ