福田進一が紡ぎ出すギター三大Bの名曲

ふきのとうホール オープニングフェスティバル

vol.10  7月15日(水)

福田進一が紡ぎ出す ギター三大Bの名曲

progrm

J.S.バッハ(福田進一編):組曲ト長調BWV1009
(無伴奏チェロ組曲 第3番ハ長調BWV1009)

B.ブリテン:ノクターナル Op.70

~休憩~

L.ブローウェル:ハープと影~武満 徹へのオマージュ(2005年 福田進一に献呈)

J.S.バッハ(福田進一編):組曲ニ長調BWV1012
                                 (無伴奏チェロ組曲 第6番ニ長調BWV1012)

アンコール

タレガ:アラビア風奇想曲
ヴィラ=ロボス:プレリュード第1番
アルベニス:アストゥリアス
タレガ:アルハンブラの想い出

————————————————————————

札幌駅前に212席の室内楽専用ホールが新規開設しました。2015年7月5日からオープニング フェスティバル開催という事で、どのコンサートも早くから売り切れ続出。私は、今宵の福田進一さんのコンサートを聴きたかったのですが、なんと最後の一枚だったので、はじめさんは残念ながらお留守番でした。

福田進一さんを初めて聴いたのは1999年 ザ・ルーテルホールでした。

”はじめさんが、加羽沢美濃さんの”メモリー・オブ・1998”というCDを買ったところ、ミニコンサートのペアチケットを頂いたので聴きに行ってきました。加羽沢さんは芸大の作曲科を卒業して、現在はコンポーザ・ピアニストとして活躍されています。自由自在にアレンジをして素敵な演奏が出来ることがとてもうらやましく思いました。この日は”いい日旅立ち”など数曲を演奏してくださいました。福田進一さんは、エコール・ノルマル音楽院(パリ)を主席で卒業、その後内外の数多くのコンクールで輝かしい賞歴を重ねるギタリストです。最初の曲からいきなり、アルベニスのアストゥリアスで、インパクトのある演奏でした。北海道は湿度が低くギターが安定しないという事で、チューニングしながらの演奏でした。初めてギターのコンサートを聴きましたが、ギター一台とは思えない大きな演奏に感動しました。ピアノ曲をギターで弾く事に凝っているとかで、アンコールはサティのジムノペディの1番を弾いてくれました。近々オール・ショパンのアルバムを出すそうです。”
 
勿論、ショパンのアルバムは購入しました。どんな風になるのか、とても興味がありましたから。秋に信州を車旅した時に聴いたのですが、とても似合っていました。

前置きが長くなりましたが、あれからようやくリサイタルを聴く事が出来ました!最初の組曲が20分かかるとの事で、遅れて入る人のためにアンコールを先に演奏します。と福田さん。いやぁ驚きました。優しい方ですね。(^-^)  バッハを2曲。長調と短調。組曲の1曲1曲が性格の事なる曲調で面白いですよね。調にはイメージカラーがあって、私は24の調に色を付けたくなります。原曲のチェロ組曲は何度も聴いていますが、ギターでの演奏は初めてです。技巧的にも精神的にも難しくチェリストのバイブルと言われています。ピアノでは「平均律」がそうですね。福田進一さんの表現の深さに感服しました。
三大Bというと、バッハ、ベートーヴェン、ブラームスを指しますが、今宵の三大BはB.ブリテン。PMFでよく耳にする名前です。20世紀のイギリスを代表する作曲家。変奏曲になっていて聴いていて楽しかったです。

後半はブローウェル作曲。武満 徹さんの想い出に書かれた曲なのだそうです。良い曲で聴き惚れました。あっという間にプログラムの最後はバッハの組曲です。6曲の小品から成るので聴き応えがあります。この後はアンコールは止まらなくて嬉しかったです。ヴィラ=ロボスやアルベニスはピアノ曲でもよく弾きます。アルベニスのアストゥリアスは、いかにもギターの曲って感じですが、原曲はピアノ曲なのです。それにしても、この曲をまた福田進一さんの演奏で聴けるとは!鳥肌が立ちました。最後のアルハンブラの想い出。もう名曲中の名曲で子供の頃から大好きです。生で聴いたのは、もしかしたら初めてかも知れません。感動してウルッとしました。ギターの音色が心に染みて贅沢なリサイタルでした。福田進一さんの演奏のセンスが素晴らしくて、とても勉強になりました。音響の良い気持ちの良いホールで、じっくり福田さんの演奏が聴けて幸せでした。ありがとうございました!

みかこ