ユンディ・リ ショパンを弾く

2016年5月31日(火)
札幌コンサートホール Kitara大ホール

All Chopin Program

バラード第1番 ト短調 Op.23

バラード第2番 ヘ長調 Op.38

バラード第3番 変イ長調 OP.47

バラード第4番 ヘ短調 OP.52

—————–intermission————–

 

24の前奏曲 OP.28
1.ハ長調 2.イ短調 3.ト長調 4.ホ短調 5.ニ長調 6.ロ短調
7.イ長調 8.嬰ヘ短調 9.ホ長調 10.嬰ハ短調 11.ロ長調
12.嬰ト短調 13.嬰ヘ長調 14.変ホ短調 15.変ニ長調 16.変ロ短調
17.へニ長調 18.ヘ短調 19.変ホ長調 20.ハ短調 21.変ロ長調
22.ヘ長調 24.ニ短調

Encore

ノクターン第2番 Op.9-2
中国民謡 彩雲追月
アンダンテ・スピアナート

ユンディ・リを聴いたのは2回目。前回の記事です。

2005/ 9/21 Wed.

ユンディ・リ ピアノリサイタル2005

場所:札幌コンサートホール Kitara 大ホール
ピアノ:ユンディ・リ

 

2000年にポーランドのワルシャワで開催された第14回ショパンコンクールで、18歳にして史上最年少の優勝者となったユンディ・リ。 その話題のピアニストの演奏を今日初めて聴きました。 キタラの大ホールがピアノリサイタルでほぼ満席になるのは珍しく、開演前から場内は活気に溢れていました。
気品があってハンサムなユンディ・リが颯爽とステージに登場。 モーツァルトのピアノソナタ第10番からドラマは始まりました。 中学の時に弾いた大好きな曲です。 爽やかで清々しい風を感じる演奏。 続いて、シューマンの謝肉祭。 こちらも大好きな曲。 優雅で情熱的な演奏に、すっかり夢見心地になってしまいました。 先日、発表会のステージで音の鳴らし方に苦労していた私は、ユンディ・リさんの大きな演奏に目が釘付けになっていました。 良い音、演奏を引き出すために、全身を使って、しかし無駄な力を使わず、バネでフォルテを引き出す。 そして、繊細な音も自在に奏でるテクニック。 見ていて大変勉強になりました。 後半はリストのスペイン狂詩曲から。 色々なピアニストの演奏を何度か聴いていますが、何度聴いても凄い曲です。 ピアニストにとってもチャレンジ的な曲なのでしょう。 でも、リさんは余裕のある演奏で、拍手が入らなければ、そのまま続けてショパンのアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズに入る感じでした。 凄みのあるリストの曲の後に、ショパンのなんとも言えない繊細で情緒のある音楽の組み合わせは、聴いていてたまりませんでした。 大ポロネーズはダイナミックなフォルテが場内に響き渡ります。 とにかくカッコイイ! ファンが多いのも頷けます。 割れんばかりの拍手に応えて、アンコールは東洋的な響きの曲が2曲演奏されました。 お国、中国の曲なのでしょうか。 どこか懐かしい感じのする美しい曲でした。 拍手が鳴り止まず、何度も何度もステージに現れるリさんの姿を見るだけで、場内はますますボルテージが上がり、その人気ぶりがうかがえました。 終わっても、なお余韻に酔いしれている隣のお客さんに失礼して前を通ってきた私です。 大変な実力と魅力を兼ね備えたピアニストのドラマを堪能してきた一夜でした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この後に尖閣問題でキャンセルがあったりで、私はユンディ・リのリサイタル聴いたのは実に11年ぶり。まだ33歳なのですね。雨の中、会場に到着すると凄い人でした。会場はほぼ満員。相変わらずの人気ぶりです。プログラム内容を見て、最初にバラードを弾くのだろうか?と、ちょっと不思議に思いました。実際に始まって、バラード1番の冒頭の音Cの位置に手がありました。あ、本当にバラードから始まるのかと思ったのは私だけでしょうか。

良い感じのスタートでした。しかし、ゆったりと聴けると思っていたのは束の間。唐突にテンポがおかしくなる!?最初は「え?」と思ったのですが、何度かそれが発生します。そうなる時はペダルを強く踏んで、まるでテンポコントロールに集中しているような感じを受けました。1番を聴いて、この状態で4番まで行けるのだろうか?何だかとてもハラハラしてきました….そして、それはやはり的中。明らかにおかしいです。どの曲も不安定な感じ。美音なので、余計にそれが目立つのかも知れませんが、やはりショパンは怖い。誤魔化しが通用しないです。もしかするとコンデションが悪いのでしょうか?本来ならテンポが速い箇所も敢えてゆっくりに弾く。でも本当は速いテンポで弾きたいというジレンマなのかも知れないと感じました。だから唐突にテンポが速くなり、音が抜けて、そのパッセージは諦めて次へ行く。止まるなぁとハラハラするけれど、最後まで弾き切るので大きく崩れた印象はありません。周りは盛大な拍手を送っていましたが、その中に居る自分は、何だかとても違和感を覚えました。曲が終わるたびに拍手が入っていましたが、それには応えませんでした。4列の左側の席に居たので、袖に戻る彼の表情が見えるのですが、苦悩しているように見えました。一体、ユンディはどうしたのでしょう….

休憩にビールでも飲もうかと思いましたが、あまり寝ていなかったのでやめました。後半のプレリュード1曲目でも例の症状が。またなのか…と思いましたが、2番から立ち直って、ようやく彼らしい演奏を聴くことが出来ました。しかし、後半でも、今度こそ止まる!と思う場面がありました。恐らく、この症状は今夜だけの事ではないような気がしました。だから逆に開き直れて、持ち直し、最後のニ短調は圧巻の演奏でした。それにしても、2005年に聴いた彼とは別人のようでした。こんなにハラハラするコンサートを聴いた事がありません。ただ音は素晴らしく綺麗なのです。

1万円のチケット。レッスンを休んで交通費をかけて札幌まで行くので、コンデションが悪いシーズンは休養してコンサートはしないほうが良いのではと思い、ちょっと残念でした。あくまでも私の感想です。多くの人は盛大な拍手を送っていました。

みかこ

Recent Posts

サウナ&ワインを愉しむ休日

断捨離をすると、あっという間に…

12時間 ago

喪中はがきの切手のマナー

普段、考えることもない喪中はが…

3日 ago