2016年10月13日(木)
場所:ふきのとうホール
ピアノ:有森 博
Program
●ラフマニノフ:サロン小品集 作品10より
ノクターン、ワルツ、ユモレスク、ロマンス
●グリンカ(リスト編):オペラ「ルスランとリュドミラ」より
チェルケッスク行進曲
●ラコフ(ギンズブルグ編):ロシアの歌
●タクタキシヴィリ:ポエム
●リャプノフ:12の超絶技巧練習曲作品11より第8番「叙事詩」
intermission
●ショパン:ノクターン ロ長調作品32-1
●ショパン:ノクターン 変イ長調作品32-2
●ショパン:舟歌 嬰ヘ長調作品60
●リスト:巡礼の年第1年より 泉のほとりで
●リスト:巡礼の年第2年より ダンテを読んで~「ソナタ風幻想曲」
Encore
●シューマン=リスト:献呈
●ショパン:ワルツ第7番
●ショパン:ワルツ第14番
●バッハ(ジロティ編):プレリュード
●ショパン:ノクターン第2番
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5年ぶりに有森 博さんのリサイタルに出かけました。前回の記事です。今回は「ふきのとうホール」という事で、昨年はギターの福田新一さんのリサイタルを聴きました。ピアノリサイタルは初めてです。
プログラム前半はロシア音楽。有森さんはロシアで勉強され、ロシア作品に積極的に取り組んだ活動をされてきました。ロシア音楽のエキスパートとして高い評価を得ているピアニストです。
有森さんがステージに登場されると、必ずといっていいほど笑いが起こります。隣のオバサマは、もうワハハ、ワハハと笑っていました。プログラムでは私はラフマニノフとグリンカしか分かりませんでした。しかも、ラフマニノフのサロン小品集というのは初めて聴きました。ラフマニノフらしい、美しい旋律の曲でした。とにかく初めて耳にする音楽ばかりで、新鮮な世界でした。今宵のプログラムは、かなり超絶技巧を要する曲が多かったです。手の動きが速すぎました!前半で随分と飛ばすなぁ(笑)と思って聴いていました。
後半はショパンから。真っ赤なシャツで登場の有森さんに、また大きな笑いが起こっていました。そして、会場の空気がガラリと変わりました。やっぱり日本人はショパンは好きなのですねぇ。私の前のお母さんは、気持ち良く寝ている男の子をしきりに見て、起こそうとしていました。でもね、男の子は寝ながらも心地の良い音楽に浸っていたと思うのです。午後7時からのコンサートで心地の良い音を聴きながらウトウトするのは、お子さんにとって当たり前だと、私は思います。むしろ、何度も何度も横に頭を動かすお母さんの行動が真後ろに居た私にとっては大迷惑でした。気づいて欲しいものです。
2曲のノクターンから舟歌へと繋がるプログラミングが素敵でした。優雅ですよね。それにしても、「舟歌」は難しい曲だと改めて思います。重音をクリアに軽やかに弾く。終盤は転調の嵐で複雑な和音に翻弄された記憶が蘇りました。大好きな曲ですが、まだまだ勉強しなければ!と、有森さんの素敵な演奏を聴いて思いました。
ショパンとリストを聴けるのもシアワセでした。巡礼の年は「エステ荘の噴水」しか弾いた事がありませんが、「ダンテを読んで」は勉強したいとずっと思っています。冒頭で少し唸り声が聞こえました。ピアノが鳴る鳴る!轟くように鳴る!大迫力の演奏でした。ブラボー!
お楽しみのアンコールは大サービスの5曲。4曲目はよく耳にする曲なのに曲名が分かりません…。分かったら記載しますね。4曲目は、何を弾こうかなという感じで演奏されましたが、素晴らしく良かったです。涙が出そうでした。そして、まさかの5曲目ですが、最後の最後で会場で携帯が鳴る。ガクッ… 音はすぐに止まずにどんどん大きくなって演奏が終わり、大きな拍手にかき消されました。ん、演奏会で携帯の音を鳴らしては絶対駄目ですよ。最後はちょっと残念でしたが、有森さんは終始ニコヤカでした。有森さんの真摯にピアノに向かう姿には、いつも元気を貰っています。ありがとうございました!