「音の旅」第24回~永遠の時を刻む~

11月10日(金)
札幌コンサートホールKitara小ホール
ピアノ:小山実稚恵

Program

●J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より
第1番 ハ長調 BWV846

●シューマン:3つの幻想的小品 作品111

●ブラームス:3つの間奏曲 作品117

Intermission

●ショパン:ノクターン 第18番 ホ長調 作品62-2

●ショパン:子守歌 変ニ長調 作品57

●ショパン:マズルカ 第49番 ヘ短調 作品68-4

●ベートーヴェン:ソナタ 第32番 ハ短調 作品111

Encore

●J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より
第2番 ハ短調よりフーガ

●シューマン:アラベスク

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12年前の春に始まった「音の旅」も遂に最終回を迎えました。私は第1、2、3、4、8、12、14、23、24と8回参加致しました。出掛けたコンサートは、どの回も素晴らしくて、もっと聴きたかったと思いました。第12回の音の洪水が1番印象に残っています。Encoreで演奏されたラフマニノフの「鐘」は鳥肌が立ちました。きっと全部聴かれた方もいらっしゃる事と思います。最終回はチケット完売でした!ロビーは人・人・人。私は先行販売されるだろうと思い、開演1時間前に到着して、来年5月26日の「音の旅」~アンコール公演~のチエットをGETしました。休憩時間にアンコールの希望3曲を書きました。

●リスト:エステ荘の噴水

●リスト:メフィストワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」

●ショパン:ノクターン第13番ハ短調作品48-1

リストの2曲は残念ながら聴けなかったので、是非、お聴きしたいです!

第1回と同じようにバッハの平均律から第1番。バッハが大好きで無人島に1冊だけ楽譜を持っていくなら平均律だとおっしゃってました。一音一音大切に慈しむように奏でられました。美しい音の世界に誘われました。「音の旅」ではショパンと共にシューマンが大事な役割を担っているという事で、大好きな「幻想曲」も第1回に聴けて嬉しかったです。最終回は晩年の作品を取り上げられました。ブラームスのインテルメッツォは117-2だけ学生の頃に演奏した事があります。美しさの中に苦悩を表現するのが難しい曲だと覚えています。作品118も好きですが、117も3曲勉強したいと思います。

後半はショパンのノクターンから。先日ポーランドから帰国して、すっかりノクターンに夢中になっている私です。晩年のノクターンは、魂は既に天上の世界へ行っているような音楽です。13番から聴くのが好きで、13番から遺作まで全部弾きたいです。ノクターンの後に演奏された「子守歌」の美しい事といったら。プログラムノートに”子供のための「子守歌」ではなく、聴き手のための、おとなに聴かせる「子守歌」を作曲したかったのだと思えてならない”と書かれています。私も大きく頷きました!さて、ショパンの3曲の後、いよいよベートーヴェンの最後のソナタ。プログラムを組む最初から最後に32番を弾くと決めていたそうです。その気持ちが最後まで揺らがなかったとの事で、もの凄く意気込みを感じました。そして、会場の空気が一気に変わりました。ハ短調という調性は激的でドラマティックで大好きです。それにしても、今宵のベートーヴェンは圧巻でした!ハ短調からハ長調へと移りゆく対極のドラマを固唾を飲んで聴き入っていました。演奏が終わって割れるような拍手に、小山さんも感無量の表情。本当に12年間、計24回のプログラムを組まれて、それを演奏していくというのは、想像を絶する世界だと思うのです。しかし、小山実稚恵さんは、いつもそれを楽しんで大切に演奏されるので、聴き手もハッピーな気持ちになるのですね。いつも自然体で、小山さんの演奏会に出掛けたら癒されるのだと思います。私の場合は「もっと勉強しなくちゃ!」という気持ちになります。

アンコールは、バッハの平均律第2番ハ短調からフーガ。そして、シューマンの「アラベスク」。心が洗われるような素敵な演奏でした。アンコールは、いつも3曲でしたので、もう1曲聴かせて下さいの拍手は鳴り止みませんでしたが、来年のお楽しみになりました。周りから「いやぁ凄かったね」「良い演奏会でしたね」と聞こえてきました。

24年間、本当にお疲れ様でした。ありがとうございます。

みかこ

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