~芸術監督マエストロ・ルイジを迎えて~

7月18日(日) PMFオーケストラ・セレブレーション・コンサート
会場:札幌芸術の森・野外ステージ<レナード・バーンスタイン・メモリアル・ステージ

指揮:ファイビオ・ルイジ
PMFファカルティ・メンバー
PMFオーケストラ

今年で21回目を迎える夏の音楽祭PMF。野外コンサートでしたので、降水確率が50~70%でお天気が心配でしたが、10時に開催が決定したのを確認してお昼頃、出発しました。昨年は、ワッツの「皇帝」をキタラと野外コンサートで聴こうと札幌に宿泊して臨んだのに雨天により中止になりましたので、自宅から2時間かけて中止だったらショックが大きいです。昨年の記事はこちらです。http://www.soundwalking.com/wordpress/wp-trackback.php?p=1694
フレンズ会員は招待のコンサートでした。いつもはオープニング・コンサートが招待になるのですが、土曜日の早い時間にあるため、滅多に聴いた事はありません。今年の企画は、私にとっては嬉しかったです。お天気もあまり良くないし、それほど入場者も多くないのではと思っていましたが、凄い人でした。案内されたのは第5駐車場。久しぶりに無料シャトルバスで会場まで行きました。コールマンの椅子を持って後ろの芝生で、ゆったり聴きました。今年の芸術監督ファビオ・ルイジ氏が「演奏中は降らないでくれ」と天とかけあったのだとか。おかげで、お天気は持ちました。

演目はヴェルディの歌劇「シチリア島の夕べの祈り」より序曲から。ヴェルディらしいゴージャスな曲で、雨をも跳ねのけるような音楽でした。続いて、マルタンの「7つの管楽器、ティンパニーと弦楽オーケストラのための協奏曲」。7つの管楽器とは、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トンボーン。PMFでは、珍しい曲が聴けますが、これも面白い曲でした。休憩の後は、お待ちかねのベートーヴェンの「交響曲 第7番」。のだめカンタービレで、すっかり有名になりましたね。私は「ベト7」と呼ぶのは好きではありませんけれど。(笑) 小鳥たちも参加して野外コンサートならではの素敵な演奏でした。第1楽章からすぐに第2楽章に入ったのですが、これがとても良かったです。美しい旋律をたっぷり歌いあげるルイジ氏の音楽づくりが素晴らしかった。この第2楽章を聴いて、中学の3年間の担任の事を思い出しました。まだ24歳くらいの若い音楽の先生で、熱烈なベートーヴェンファンでした。中でも、この7番の第2楽章を愛し、涙が出るほど好きだと熱く語っていました。中学時代の3年間、担任のO先生から受けた影響は大きかったですね。どうしていらっしゃるのかな、などと思いながら聴き惚れていました。そして、元気な第3楽章が終わると、「空がぱっと明るくなった!」と、はじめさんがびっくりしていました。さぁ、フィナーレの第4楽章Allegro con brio(生き生きとしたアレグロ)。アレグロ・コン・ブリオはベートーヴェンの曲に多いですが、最も好んだイタリア語の速度・表情語なのだそうです。なるほど!
ルイジ氏の思いとPMFを愛する聴衆と素敵な音楽がもたらすパワーを感じたコンサートでした。

みかこ