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ショパン バラード第4番の解釈

一番気に入っている楽譜は、EDITION DURANDの、なんとドビュッシーが編集している「Ballades et Impromptus」。他には、ウィーン原点版と春秋社版のを持っていたが、昨日、コルトー版とパデレフスキ版を購入した。ヘンレ版もと思ったけれど、今度にしようと思う。比べてみると、楽譜によって随分違うのものだ。
一番変わっているのはウィーン原点版。序奏部から、第1テーマに入るところは、”in tempo”となっている。他の版は全て、”a tempo”。92小節の6拍目も音が違う。102小節の左手はスラーになっている版と1拍目がスタッカートになっている版に分かれているが、ドビュッシー版のスタッカートの解釈の方が私は好き。音が全く違うのは124小節の5拍目と6拍目。♭がナチュラルになっているので、これでは明るい音になってしまう。プリントミスかと思った。しかし、ヤン・エキエル氏は、この音で演奏している。エキエル氏の解釈はタイになっている箇所も音を弾いているし、他のピアニストの解釈とかなり違う。パデレフスキ版は見やすくて気に入ったが、185小節の左手の2拍目の音が違う。でも、小節数が書かれているのは嬉しい。何しろ239小節もある大曲なのだ。コルトー版はパッセージの勉強をする時に役立つスコアだと思う。こんな練習や、あんな練習方法も書いてあり参考になる。月刊雑誌「ショパン」の8月号にはタイムリーな事に横山幸雄さんのレッスン「前編」が掲載されている。とても細やかなレッスンで、流石だなぁと思う。後半も早く読みたい。
CDは、カツァリス、マルク・ラフォレ、ブーニン、アシュケナージ、横山幸雄、ヤン・エキエル、エヴァ・ポブウォッカのを持っているが、今のところブーニンの演奏が好き。バラード4番は、素晴らしい曲で大好きだけれど、とてつもなく難しい。ポリフォニックな要素が多くて、バランスのとれた美しい音で演奏しなければいけない。哲学的だし音楽的に深い内容となっていて、これを後1ヶ月足らずでどこまで持っていけるのか…。一日一日の練習を大切にしないと、大変だと思う。とはいえ明日はPMFのピクニックコンサートで一日弾けない。毎年、この時期を迎えると、ため息が増えていく。

みかこ