目次
日時:2019年4月13日(土) 4:00PM開演
開場:八ヶ岳音楽堂
ピアノ:小山実稚恵
ヴァイオリン:矢部達哉
チェロ:宮田 大
第1楽章 アレグロ・モデラート 変ロ長調
第2楽章 スケルツォ:アレグロ 変ロ長調
第3楽章 アンダンテ・カンタービレ ニ長調
第4楽章 アレグロ・モデラート・プレスト 変ロ長調 ロンド形式
Intermission—20 minutes
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 作品49
第1楽章 アレグロ・モルト・アジタート 二短調
第2楽章 アンダンテ・コン・モーと・トランクィーロ 変ロ長調
第3楽章 スケルツォ:レジェーロ・エ・ヴィヴァーチェ ニ長調 ロンド形式
第4楽章 フィナーレ:アレグロ・アッサイ・アパショナート ニ短調ーニ長調 ロンド形式
ベートーヴェン:「大公」より第2楽章
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ベートーヴェンは数多くの室内楽の名曲を書いています。1811年に書いた「大公」は、難聴がかなり進行した頃でした。大公とは、ベートーヴェンの弟子であり、親しい友人であり、生涯にわたってパトロンであったルドルフ大公のことです。
ピアノソナタ第26番「告別」にも登場するルドルフ大公。ベートーヴェンがどれだけ信頼していたのかは「告別ソナタ」を弾けば分かります。大公が不在の時はとても不安な感じが伝わってきますし、再会では心から喜んでいる様子が伝わってくるソナタです。何しろ、「告別」のタイトルはベートーヴェン自身が付けたことで有名です。それだけルドルフ大公を想っていたのでしょう。
ルドルフ大公はアマチュアピアニストとして高い技術を持っていたことから、3重奏でもピアノが中心的な役割を担っています。ベートーヴェン自らがピアノで演奏会で演奏したそうです。そして、この演奏が公で演奏する最後となりました。
ベートーヴェンの生誕から約40年後のドイツに生まれたロマン派のメンデルスゾーン。この曲を聴いたロベルト・シューマンが「ベートーヴェン以来の最も偉大なピアノ三重奏曲」と評したことでも有名です。
メンデルスゾーンというと、ピアノでは無言歌集、ヴァイオリン協奏曲ホ短調など、すぐにメロディーが頭に浮かぶほどメロディアスな曲が多く、屈指のメロディメーカーだと思います。ロマン派らしい甘美なメロディーが多いです。
この三重奏曲を聴くのは初めてでしたが、凄く良い曲だなと思いました。奏者が素晴らしいのもあります。息がぴったりのアンサンブルで、いつまでも聴いていたい、そんな夢心地の演奏でした。
encoreの前にヴァイオリンの矢部達哉さんが、この3人で演奏すると化学反応が起きるのだとおっしゃっていました。encoreは「大公」から第2楽章がencore向けに演奏されました。素晴らしい演奏会でした!会場から富士山が見えて、みなさん大喜びでした。