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Das Lebewohl 「告別」ソナタ

昨日、今日と久しぶりのグループレッスンだった。遠方組の小学生は学芸会があるため来週行う予定。今年度の勉強は、ベートーヴェンのピアノソナタ第26番「告別」と、ショパンのバラード第4番、はじめさんとのコンチェルト、来年度に向けての新曲の譜読み。これに基礎練習を入れると、あっという間に一日が過ぎてしまう。

ベートーヴェン自身が楽曲に標題を与えることは少なく、32曲のうち「告別」と第8番「悲愴」だけ。序奏の最初の3つの音 G,F,Esにle be wohl(さようなら)と歌詞が書いてある。当時、出版社は「Les Adieux Sonata」とフランス語で勝手にタイトルを付け、ベートーヴェンは手紙で抗議したという。「lebewolh」は、心から愛する人にだけ使う言葉であり、「les adieux」は、集まった聴衆全体に述べる言葉で全く違うものだと。この曲に、ベートーヴェンはどれだけルドルフ大公への想いを込めて書いたのか。

「lebewolh」は、もう会えないかも知れないという切なく悲しい言葉だと思う。第3楽章の「再会」は演奏するのは大変だけれど、第1、第2楽章は表現の難しい曲だと思う。第1楽章の序奏はAdagioで重々しいけれど、すぐ変ホ長調のAllegroになるのだ。また会える日が来るだろうという希望が感じられるような明るさ。最後は動機が執拗に繰り返され標題の「告別」を訴えているようだ。「不在」と付けられた第2楽章はハ短調。ハ短調って悲劇的な暗さは感じない。むしろ劇的な調性だと思う。それにト長調の明るさが加わり、第3楽章の「再会」へと休み無く続くのにも意味があるのだと思う。終楽章は大変ピアニスティックで、ベートーヴェンがいかにピアノの腕が達者だったのかと思い知らされる。

みかこ