午前中のレッスンで今年度の仕事納め。今年も健康に恵まれレッスンを休むことなく出来た事に感謝。レッスンが終わり、リビングへ行くと、重厚な曲が良い音で鳴っている。はじめさんがレコードをかけていたのだ。そういえば、昨日レコードプレイヤーが届いていた。貴重なレコードがかなり在り、捨てるに捨てられないでいた。しかし、正直なところ、またレコードを聴けるとは思っていなかった。はじめさんが言うには「レコードはCDでは聴けない音が聴ける」と。タイムドメインという小型スピーカーが役立ってくれた。

「史上最大のコンサート」という2枚組みのレコードが在る。カーネギーホール85周年記念演奏会ので、立派なケースに当時のプログラムと思われる物と、新聞が入っている。これを買ったのは高校生の頃だったろうか。当時5,000円は毎月のお小遣いで、レコードを2枚買うのが楽しみだった。圧倒的に多いのはホロヴィッツのレコードで、ほとんど持っていると思う。次に多かったのは意外にもフランソワので、はじめさんも、ちょっとびっくりしていた。

  

中に入っている「苦楽疾駆」という新聞に思わず笑ってしまった。記事を読むと、カーネギーホールの危機的状況にある財政を救うため、ヴァイオリニストのアイザック・スターンが企画したもので、チケット代はなんと30万!夢の共演の出演者は、上段左からメニューイン、バーンスタイン、ロストロポーヴィッチ、ホロヴィッツ、フィッシャー=ディースカウ、スターンで前売りはあっという間に売れきれたという。ダフ屋相場90万だったというのだから史上最高価格のコンサートでしょうね。
私のお気に入りは、ホロヴィッツ、スターン、ロストロポーヴィッチによるチャイコフスキーの「偉大なる芸術家の思い出」。そして、今はディースカウとホロヴィッツのシューマンの「詩人の恋」全曲がとても貴重な録音だなと嬉しく思う。プログラムには歌詞も全曲掲載されている。面白いのは、演奏会の最後に巨匠たち6人による「ハレルヤ・コーラス」。ディースカウ以外は、お世辞にも上手いとは言えないけれど、一生懸命に歌う姿が微笑ましいのです。

みかこ