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ガチャガチャ鳴らすのは赤ちゃんでもできる

昨日は3歳の子の体験レッスンだった。「何歳から習えますか?」という、お問い合わせの電話が時々あるけれど、2歳でもレッスンが可能な場合もあれば、4歳でも出来ない場合があると思う。要は会話が成り立つかどうかだと私は思う。


人見知りもしないし、質問にもすぐ答えてくれるとてもハキハキとした子で、これなら大丈夫かなと思った。しかし、イメージした音を鳴らしたりするうちに、ピアノを鳴らす事に夢中になり、こちらの話は全く聞かなくなった。

「こういう風にやってみよう」と言っても、「はいはい。ぴあのがだいすきなんです」と言い、好きなようにやらせてという感じで終始ガチャガチャとピアノを鳴らしているのだ。「先生がお話している時はピアノは鳴らしちゃいけないよ」と言って、蓋を閉めると、ちょっとびっくりしたようだった。

レッスンでは、ダメな事はダメと言わなければいけないと思う。次に、5本指の説明をしてから、私が弾く4分の4拍子の曲に合わせてカスタネットでリズムを取る練習は楽しそうに出来た。今度は1本指でピアノでも実行しようとしたところ、またガチャガチャに戻ってしまった。

「ガチャガチャ鳴らすのは、赤ちゃんでもできるよ。ピアノは鳴らすのは簡単だからね」と言うと、なんと鳴らすのをやめた。「赤ちゃんでもできる」という言葉に反応したようだ。そして、発表会の録画で小さい子の演奏を聴いてもらった。しばらくして「こんなふうにきれいにひけるようになるの?」と、その子は言った。「ちゃんと先生のお話を聞いて、ピアノを習ったら、きれいに弾けるよ」と言うと、ニコッと笑った。

ご父兄には、「ピアノを習うとしたら、ピアノが必要になります」という話は嫌でもしなければならないのだけれど、続くかどうか分からない小さい子に簡単に高価なピアノを与える親御さんはいないと思う。お子さんのピアノに向かう様子を見て、購入を決意してもらえるようなレッスンを先生はしなければいけないのだと思う。

みかこ