久しぶりにベートーヴェンのピアノソナタを弾いた。全32曲を勉強しようと思いつつも、なかなか全曲に届かず、残り7作品。その中に「ワルトシュタイン」があり、昨年はこの大作にかなり時間を注いだのだけれど、また時間が経ってしまった。
目次
中学生のときに、NHKの番組「ピアノのおけいこ」で講師をされていたピアニストの宮沢明子さんにプライベートレッスンを受ける機会がありました。その時はピアノソナタ第5番で受けたのですが、ヘンレ版で勉強することを強く勧められ、当時6,000円もする高価な楽譜でしたが、すぐに買ってもらいました。
今でも持っていますが、ヘンレ版って新品でもパッと楽譜が開けて便利な分、傷みやすくて、ボロボロな状態です。
ずっとヘンレ版で勉強してきましたが、つい先日、園田高弘【校訂】のベートーヴェンのピアノソナタが1作品ずつ出ているようなので、「ワルトシュタイン」を買ってみました。
昨日から、ゆっくりのテンポで一音一音確かめながら、スコアに記載されているペダルで弾いていますが、ヘンレ版で勉強していたときとは別の曲ではないかと思う程、違うことに驚きました。
古典作品では、あまりペダルを踏み過ぎないようにしていたのですが、園田氏の校訂では、かなりペダルを踏みます。しかも、「踏み込んで離す」「連続して踏み替えを行う」「特定の音または和音を強調する場合」「ゆっくりと離す」「ゆっくりと踏み込む」と、かなり細やかな指示があります。
園田高弘さんといえば、ベートーヴェン弾きで有名なピアニストでした。残念ながら、私は一度もリサイタルで聴く機会がありませんでした。
園田さんは76歳で亡くなりになる2004年までバリバリの現役ピアニストだったそうです。リサイタルの練習中に自宅で倒れられました。
園田高弘へのインタビューをご覧いただけます。 Vol.3 園田高弘 インタビュー / アーカイヴ / TOPPAN HALL - |
「ワルトシュタイン」の第3楽章の最後の方に1-5という指使いのグリッサンドが出てきて戸惑います。この奏法で弾いている動画を観たことがありますが、私はできません。ベートーヴェンが当時使っていた鍵盤の浅いピアノなら可能かもしれませんが、現代のピアノでは指を痛めそうなので、左右両手で取り分けて音階を奏すれば、遅いグリッサンドの効果は十分達成できるると園田高弘【校訂】版に記載されています。