先日、小樽バインオフの日。出かけるギリギリまで、エッシェンバッハ指揮、ウィーン・フィル、ソリストはランランという豪華な顔ぶれで演奏されたリストのピアノ協奏曲第1番を聴いていました。相変わらず、ランランの演奏は面白いし、指揮者がエッシェンバッハって、どういうリストになるのだろうと、時計を気にしながらもワクワクでした。はじめさんも同じ気持ちだったようで、昨夜ようやく最後まで聴きました。PMFでお馴染みのクラリネットのシュミードルさん、それからヴァイオリンのヒンクさんのお顔も見え、なんだか懐かしいような気持ちでした。ダイナミックかつ繊細な音で弾くランランのリストは良かったですねぇ。アンコールにコンソレーション第2番を想い入れたっぷりに演奏されました。もう魂が完全にあっちの世界に行っちゃているという感じです。演奏が終わって暫くしてから我に戻ると、よく舘野先生がおっしゃって、実際に何度も見たあの感じだったなぁと思いました。さて、続いてエッシェンバッハとランランの連弾がありました。今年の発表会で取り上げたドビュッシーの「小組曲」より”小舟にて”と”バレエ”。久しぶりにエッシェンバッハのピアノを聴きましたが、流石に美音ですねぇ。2曲目はプリモとセカンドを交代して演奏。とても楽しそうに、そして真摯に演奏する姿に感動しました。
エッシェンバッハというと、私にとっては偉大なるピアニストで、モーツァルトのピアノソナタなどのレッスンを受けていた時、よく先生がレコードをかけてくれたのですが、粒の揃った美しい音に子供心にもびっくりした事を覚えています。その印象が強く、エッシェンバッハのピアノ曲で持っているCDはというと、なんとツェルニー40番とソナタ・アルバム1なのです。あまり聴いていませんが、恐らくピアノ講師になりたての頃に買ったのでしょう。しかし、考えてみると、教則本を録音する偉大なピアニストって稀有ですよね。これからは、積極的に活用させてもらおうと思います。この偉大なピアニストがPMFの芸術監督になった時も驚きでした。エッシェンバッハの取り上げたマーラーは最高でしたが、特にワッツと組んだ年のマーラーの5番が凄かった。炎天下の芸術の森で、白い燕尾服を汗が伝ってどんどん流れていくのを心配しながらも歓喜して聴いていました。ワッツのリストのピアノコンチェルトも素晴らしくて、あの時の感動が蘇った、エッシェンバッハとランランの夢の共演でした。