今日は涼しい風が吹いて半袖だと肌寒いくらいでした。午前中に大人の生徒さんのレッスン。はじめさんは、午後1時からオンラインセミナーを受けるとのことで、ブランチにして運動公園へ。
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ピアノを演奏するときに、よく歌ってといいますが、演奏は歌と同様に呼吸が大切です。呼吸せずに弾くと、弾いている人も聴いている人も息苦しく感じます。
上手い役者さんは「間」の取り方が絶妙だといわれていますが、ピアノの演奏にも「間」がとても大切です。上手い人の演奏をたくさん聴いたり、センスを磨くしかありません。
「月光」を弾く生徒さんに、subito pianoの説明をします。ベートーヴェンの曲にはクレッシェンドの後、急に弱音で弾くことを求められる箇所が多いですね。
ベートーヴェンの特徴的な奏法で、聴かせどころでもあります。月光に限らず、あらゆる曲にsubito pianoが出てきます。
譜読みが早い小3のKちゃん。しかし、まだ9歳なので表現するためのレッスンが必要で、今日は「エリーゼのために」だけを深くレッスンしました。いつもは曲の他にも数曲練習してくる熱心な生徒さんです。
冒頭の有名な「ミレミレミシレドラ」。はアウフタクトだから、最初の2音は少しゆっくり気味に。その前にこのパッセージを心を込めて語り掛けるように言ってみてというと、コツがわかり、たちまちセンスのある演奏ができました。
最後に出てくるmorendo(モレンド)も、テンポで弾いたら消え入るように弾けません。オーバーにいうと「命が絶えるように」なのだから、テンポを落としてフワっと弱く弾きます。弱い音を綺麗に弾くのは難しいですよね。
レッスンが終わると「夏休みもレッスンある?」と聞くKちゃん。レッスン休みだと悲しいようです。
他の作曲家は、テンポの速い曲はAllegroですが、ベートーヴェンの作品にはAllegro con brioが多いです。耳が聞こえなかったので、目で見てわかる特徴で、生き生きと速くという意味です。「ワルトシュタイン」もAllegro con brio。同じハ長調のピアノソナタ第3番もAllegro con brio。交響曲にも沢山使われています。だからベートーヴェンの音楽はエネルギッシュです。他の作曲家の誰よりも緊張感があります。