今年もPMF2023が始まりました。とにかく今宵のプログラムに惹かれ、すぐにチケットを入手しました。それにしても、秋田などで大雨の被害が広がっていますが、今日は札幌への運転も大雨&3連休で渋滞。無事に開演前にキタラへ到着できてホッとしました。

2023年7月15日(土)17:00開演
札幌コンサートホール kitara 大ホール
指揮:クシュシュトフ・ウルバンスキ
ピアノ:ヤン・リシェッキ
管弦楽:PMFヨーロッパ&PMFオーケストラ

バーンスタイン:「キャンディード」序曲

今回はオーケストラの演奏がよく見える、そして、指揮者の真正面のP席中央の席を取りました。その甲斐があって、全programを思い切り楽しむことができました。

颯爽とポーランド出身の指揮者ウルバンスキさんが登場。楽しい音楽の始まりにピッタリのバーンスタインの「キャンディード」序曲から。

キラキラと輝くような音に魅了された

今まで、何度もこの作品を聴いていますが、今日の演奏が最高に良かったです。「えっ、こんな良い曲だったけ」と改めて思いました。それにしても、ウルバンスキさんの指揮が分かりやすく楽しくて、なんだか踊り出したくなるような感じでした。

キャンディードは芸術の森の野外コンサートで全曲聴いたことがあります。指揮者は佐渡裕さんでした。丁度、クラシック音楽が大好きな はじめさんの友人が東京から北海道旅行へ来た年で一緒に出掛けました。長丁場で余市に帰宅したら深夜になったことを覚えています。

グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 作品16

第1楽章:Allegro molto moderato イ短調
第2楽章:Adagio 変ニ長調
第3楽章:Allegro・moderato・molto・marcato イ短調

ワクワクが収まらない会場でしたが、続いて長身でモデルのようなイケメンピアニストの登場。カナダ出身のヤン・リシェッキさんは今回初めて聴くピアニストです。

グリーグのピアノ協奏曲は何度も聴いている大好きな曲ですが、やはり生演奏で聴く機会はそんなに多くはありません。とても楽しみにしていました。

息を呑むほどに素晴らしく、幅のある丁寧な演奏に魅了された

リシェッキさんからのメッセージは、「グリーグの音楽の美しさ、ノルウェーの風景を北海道のみなさんと共有できることを楽しみにしています」とありました。

冒頭のティンパニが鳴り響いてから登場するピアノが本当に素敵で、何度聴いても鳥肌が立つくらい好きです。

ノルウェーの民俗舞曲「ハリング」が取り入れられているので独特なリズム感が特徴のこの曲の特徴です。

凛とした澄んだ北欧の空気が会場を包み込むようでした。第3楽章では、長身のリシェッキさんは高音から低音に移るとき、顔が鍵盤に付くくらいに近寄って演奏している姿が印象的でした。

鳴りやまない拍手に応えて、アンコールはショパンのノクターン遺作。ピアノ協奏曲のアンコールによく弾かれる曲ですが、リシェッキさんの手にかかると、音がこの世のものとは思えないくらい繊細で歌に溢れていました。そして、休憩中にCDが飛ぶように売れていました。私のベートーヴェンのピアノ協奏曲全集のBlu-rayをgetしました。

intermission

ショスタコーヴィチ:交響曲 第5番 ニ短調 作品47

第1楽章:Moderato-Allegro non troppo ニ短調
第2楽章:Allegretto イ短調
第3楽章:Largo 嬰へ短調
第4楽章:Allegro non troppo ニ短調

ショスタコの5番との出逢いは「クラシックミステリー名曲探偵アマデウス」というTV番組でした。はじめさんと共にこの作品に魅了されて、すぐにCDを入手して車旅で聴いていました。実はこの作品を生演奏で聴くのは初めてなのです。

グリーグのピアノ協奏曲も大編成でピアノがステージのギリギリ前の方へ置かれましたが、こちらは更に大編成。実に様々な楽器が登場します。そして、こちらは主要パートはPMFヨーロッパの先生たちが担当されました。それほど難しい作品なのでしょう。

日本では「革命」という副題が付いている作品

ショスタコーヴィチの特徴は、まるで魔法のような美しい音楽とスターリンとの政治的なもの。音楽の中に暗号のようなメッセージが潜んでいるといわれています。

すぐ前にオーケストラの皆さんが見えるので、最高に面白かったです。特にシンバル奏者がシンバルを構えると、目がシンバル奏者に行き。どのようなタイミングでズバーンと鳴らすのか、そして、見事にズバーンが決まったとき胸がときめきました。

第2楽章では、シンバルは小さい方になり、深刻な音楽から一転しておどけたような音楽になるので、この部分にくるといつも笑ってしまいます。そして、最終楽章ではシンバルが炸裂。何度も出番があり、見事な演奏に胸がときめくのでした。

シンバルのことばかり書きましたが、指揮者の棒を追いながら、様々な楽器と奏者を追いかけながら聴くことができて、オーケストラを楽しむのに最高の曲だと思いました。

ウルバンスキさんの指揮が本当に素晴らしく、また教授陣たちの演奏は流石で、学生たちも日々上手くなっているのだと感動しました。

やはり、コンサートは最高です。CDでは分からない臨場感があります。コンサートが終わって駐車場に向かう途中で、年配の男性が「いやぁ、良かった」としみじみとつぶやいておられました。

みかこ