先日、小4の女の子のレッスンでオクターブがまだ届かず、楽譜に記されているように弾けない箇所がありました。でも、もう少しでオクターブは掴めそう。「先生の手も、すごく小さいよ」と、女の子と手を合わせてみると、あらまピッタシ同じ大きさで、お互いに驚きました。「じゃぁ、どうしてオクターブが届くの?」と女の子。「小さいけれど、広がるから」、と言ってオクターブの連続する「乙女の祈り」を少し弾いてみせました。

中2の時に音楽の道に進む決心をし、担任の音楽の先生に相談したところ、「その小さい手ではピアノは厳しいと思う。将来、手が広がるように手術をした方が良いかもね」と言われた。そんな恐ろしい事は絶対に嫌だなと思い、毎日、指が広がるようにストレッチした。意外と広がるようになるものである。ただ、指使いは、あらゆる可能性を考えて、独自の指使いにしなければならない曲は多い。

以前、バレンボイムによる若手ピアニストのマスタークラスで、「君は、そのパッセージをラクラク弾くけれど、私は苦労する」と話していたのが印象的でした。バレンボイムの手は小さいので、私には、むしろ手の大きなピアニストの演奏よりも参考になる事が多いです。

はじめさんは私の手は一見すごく小さいけれど、広がる不思議な手だと言います。しかし、10度は届かないので、やはり苦労します。

みかこ

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