本来はこの3連休は車旅の予定でしたが、手術になったため中止。家で過ごしている はじめさんから長い感想文が届き、本人の許可を得たので公開します。
人生で一番大切なものはなにか? と聞かれた時、私の答えは「出会い」。人や物やあるいは何らかの機会であったり、何かと出会う瞬間はいつも突然であって、そして時に一瞬でもある。だからこそ、その出会いを大切にしたいし、その出会いが自分の人生に与えてくれる良い影響に感謝したい。
発表会は、演奏者にとっても、オーディエンスにとっても、とても大きな出会いの場に違いないと思っている。先生との出会い、演奏者同士の出会い、親戚との出会いだけでなく、家族のいままであまり気づかなかった側面への出会いもあるだろう。
特に子どもたちにとって、友達や、おとうさん、おかあさん、兄弟と共に真剣な時間を過ごすこと、スタッフとしての仕事に触れることなどは、貴重な経験であって、今後の人生への影響は計り知れないものだと信じている。それが少しでも良い経験になるように、発表会という一日を緊張しながらも楽しめるように、いつも先生が考えていて、それを見て、必要とされれば助ける立場にあるのが私だと思っている。
私にとって発表会の成功とは、自分の演奏だけでなく、発表会全体が楽しいものである事と言える。そして、不思議で嬉しい事に、スタッフの生徒さん、スタッフで無い生徒さんや、ご父兄の皆さんまで、同じ思いを持ってくれているように感じる事がとても多い。例えば発表会の演奏後、会場の片付けの時など、私がビデオカメラや会場のあちこちに貼ったポスター、生徒席など、おそらく私にしかわからない部分の細々としたところを片付けている間に、椅子やステージ、受付、照明室など、誰かが気づいていつのまにか片付けられている。
確かに、反響板などの大きいものは前日、ステージのデコレーションや、機材、足台、椅子等々、車に満載して当日の朝設置して、発表会終了後はすべてを再び車に積み込んで、チリひとつ残さない様にする私の仕事は結構大変で、へとへとになるのだけれども、もし、生徒やご父兄のみなさんが、自分から動いてくれなければ、きっと倍以上大変になっているだろうなといつも思う。そういうことに気づくこともまた、私にとっては貴重な出会いであり、自分の心を暖かくしてくれるものでもある。
今年自分は60歳、定年を迎え、人生のひとつの節目の年なのですが、未だに新しい出会いがあり、感謝できる人たちがいるという事は、まさにブラボー!だ。これからも、発表会という日が我々にとって大切な1日であり続けることを、願います。
今年の発表会の記念品は、タオル。「なんでタオル」と思った人もいるかもしれませんが、実は毎年先生は記念品を何にするか、時間をかけて悩んでいます。そんな時に、このタオルと出会いました。
最初は記念品というより、自分用だったのですが、使ってみるととても軽くて吸水性も良く、気分が良くなるタオルだとわかりました。これって、音楽やピアノ演奏とも共通するところがありますよね。友達どうしとの関係でもそうですが、深く知る事で本当の良さが見えてくる。第一印象とはまったく違うものが見えてきて、愛着が湧いてくるものです。
みなさんにもそれを味わってほしい、と先生が思ったかどうかはわからないのですが、先生が本当に気に入っているタオルだということ、そして、生徒さん全員にインタービューをして、全員違うデザインのものを選んだということは間違いありません。みなさんのお気に入りの一つになることを願っています。
ニシカワ ハジメ