ラ・カンパネラとはイタリア語で「鐘」という意味。しかし、ラフマニノフのプレリュード3-2「鐘」とは、かなりイメージが違い、リストの鐘の音は軽やかで綺羅びやかだ。クラシックに疎い人でも「ラ・カンパネラ」を知っている人は多く、教室の生徒さんにも人気が高いようだ。
この曲の難しいところは、跳躍する音を軽やかに小指で弾く事。プロのピアニストでもミスタッチが目立ったりするので、怖い曲だと思う。
子供の頃に習っていたピアノの先生がアンドレ・ワッツが弾く「ラ・カンパネラ」が素晴らしいと、熱く語ってくれた事があり、私もいつかワッツのリサイタルで聴いてみたいと思った。そして、それは20代の時に叶った。パガニーニ大練習曲、全6曲演奏したのだ。オール・リストのプログラムでロ短調ソナタもあった。瞬きをする瞬間も惜しむくらい、とにかく凄い演奏だった。
「ラ・カンパネラ」は、リストの作品で1番最初に弾いた曲なので思い入れがあるが、かなり前に弾いたきりで、発表会が終わってからブダベスト版を使って譜読に取り掛かったが、結構時間がかかてしまった。楽譜は数冊持っているけれど、勉強していた時のコルトー版が私は1番好きで使いやすいと思います。
コルトー版はショパンのエチュードでも使っているけれど、練習の方法や、解説が細やかで丁寧で良いですよね。パガニーニ大練習曲では、6番のイ短調も弾きましたが、変奏曲になっていて大好きな曲です。凄く苦労しましたが…。ラフマニニノフも「パガニーニの主題による狂詩曲」を書いていますが、この主題に魅せられてブラームス、シューマンも書いています。
全曲弾くことが目標ですが、3番、6番の次に弾くとしたら5番の「狩り」だと思う。