高校2年生の頃まで習っていた元生徒さんに、時々会う。我道を行くタイプの、とにかく個性的な子だった。
自作曲などを書いてくる事もあり、見せてもらうと、けっこうな曲を作っているので、発表会で披露してみましょうという事になった。「草原にて」というタイトルだったと記憶しているが、3分程の曲を見事に自作自演した。当時中学生だったけれど、音楽の先生にも褒められたと嬉しそうに報告してくれた。
腰の高さまで降った大雪の日。交通は麻痺、歩く道も無し、雪かきに追われグッタリしていると、レッスン時間になって、その子だけはやって来た。かなり遠いのに、どうやって来たの?!と聞くと、道なき道を自ら道を作り(雪の中を漕いで)やって来たという。その根性に驚かされた。しかし、それから間もなく美術の方へ進みたいからと、音楽ではもう間に合わないというような事を言いスパっと辞めてしまったのだ。
それが今日、「また音楽の道に舞い戻りました!」とニコニコして言う。中国琵琶を習っているそうで、携帯で演奏している写真を見せてくれた。ピアノではなく、中国琵琶っていうところが彼女らしいというか、本当に個性的だと思う。まぁ、やっぱり音楽が好きなのでしょう。いつかまたピアノも復活したいと思う時が来るかも知れないし。個性的な人が弾くピアノは、やはり個性的で、私はレッスンしていて楽しかった。それにしても時が経つのは早く、彼女も30歳を超えているのだろうと思うと、私も歳がいくわけです…