ショパンのバラード4番や、ラフマニノフのヴォカリーズ(ワイルド編)は、声部が複雑に絡み、そそれ故、難曲になっているのだが、ベートーヴェンの後期のピアノ・ソナタにもフーガが出てくる。第28番は勉強したが、やはりバッハを強化しないといけないと思う。
24全ての調を使って書かれたプレリュードとフーガから成るバッハの「平均律クラヴィーア曲集」。1巻、2巻とあるから凄い。学生の頃は、バッハは必須で、エチュード的なものと先生方は捉えているようだったが、釈然としなかった。ピアノ講師になってからチェリストのミッシャ・マイスキーさんのリサイタルで「無伴奏チェロ組曲」を聴いて、それは違うと確信した。バッハはエチュードではないと思う。
先日のグループレッスンで、バッハを知っている?と子供たちに聞くと、
「髪が凄くなっている人でしょう」と言う。
「そう、あれはカツラだけどね」と言うと、
へぇそうなんだとか、知っているよとか反応があって面白かった。
「さて、バッハは音楽の何と呼ばれているでしょう?」
小5の男の子が「音楽の父」と答えた。
「正解!」「ちなみに、音楽の母は?」と聞いてみると
中学生グループでは「モーツァルト?」「ハイドン?」などの答えがあったがクスクス笑っている 人は、やはり違うと思っているのでしょう。
「音楽の母はヘンデルです」
バッハはすぐ出てくるけれど、ヘンデルはマイナーなようだ。平均律の一番を弾いた後に
「今の曲は何調か分かる人」と聞くと
グループの中の一人くらいは「ハ長調」だと分かったようだ。
「では、ハ長調を色に例えたら?」
これは、小さい子はグリーンだのオレンジだのピンクだのと言っていたが中学生グループでは、すぐ「白」と言う生徒さんが居た。作曲家のイメージだからそれぞれ違うとは思うけれど、まぁハ長調は「白」でしょうね。
フィンランド旅行でアイノラのシベリウス山荘を訪れた時、暖炉が3つあって、それぞれに色が塗ってあった。白はハ長調で、私の記憶が正しければ、緑は「ト長調」、オレンジは「ヘ長調」との事だった。調には、それだけイメージがあるのだ。
バッハの「平均律」に触発されてショパンやショスタコーヴィチなどが24のプレリュードを書いている。ちなみに、バッハの平均律は音楽の「旧約聖書」、ベートーヴェンのピアノ・ソナタは「新約聖書」と呼ばれている。