Categories: ピアノ piano

カッチリとした曲が似合っている

周りが皆ピアノ弾きの学生の頃は、正直きつかった。仲の良い友達は、とても上手くて、いつも新しい曲を「今、こんなのやっているよ」と言って、ドビュッシーの「運動」という面白い曲をサラッと弾いた。ついこの前は「水の反映」だったのに…。そして、ショパンのスケルツォの2番を合間によく弾いていた。彼女が習っていた先生は温厚な年配の男性で、譜読みが早い彼女にどんどん新しい曲を与えていた。それが羨ましかった。そんな彼女に、私は「カッチリとした曲が合っている」と、いつも言われた。

あの人に「革命」を弾かせたら右に出るものがいない。あの人の手はグローブのように大きいから「月光の第3楽章」を軽々と弾く、などなど、それぞれ得意なものがあるのだが、私は何だろう?自分では分からなかったが、ピアノの上手い彼女に「カッチリとした曲が合っている」と言われたのが少し嬉しかった。

練習のスタートにバッハを持ってくると、展開しやすい。次はベートーヴェンでしょ。それから新曲に目を通す。新しい曲は譜読みをしながら考えて弾くのでパワーが要る。次々と曲を与えられた彼女は、やはり凄い人だと改めて思う。
暫く会っていないけれど、お元気ですか?

みかこ

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