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ピアノ教師は身近な大人

今日は、レッスン中に思わぬ告白があってショックだったというか、複雑な心境になった。曲のタイトルから、低学年の生徒さんが分かりやすい言葉に置き換えてみようとしたのだが、それはト短調の調べなので、悲しげなのだ。しかし、その曲を弾く子は、いつもニコニコして、ハキハキとして、とても明るいから、悲しげな曲をどう演奏するかなと思っていた。ところが、「毎日が悲しいよ。悲しい毎日の連続だよ」と、その子はボソッと言った。耳を疑った…。レッスンは残り10分だった。思い切って言ったのだろうと思う。学校の先生に相談しても、うやむやにするばかりで、頼りにならないと言うのだ。それにしても、明るい子だと思っていたから、そんな悩みを抱えている事に気づかなかった。涙目になりながら話してくれたが、話すことで少しラクになったという。ピアノ教室に来るのは楽しいようで、今日もいっぱい練習してきた。

以前もそういう事があった。小6の男の子だったが、やはり学校の先生と折り合いが悪かったのだと思う。親御さんにも言い難い事ってあるのだろうし、だから身近な大人という事で彼もボソっと私に悩みを告白した事があった。ピアノ教室だけれど、ピアノのレッスンを通して、彼らの人生に大きく関わっているのだと改めて責任のある仕事なのだと痛感させられるのだ。

私は小4の時、クラスでいじめられていた子をかばって、女子全員から無視された。その時に担任は、いじめっ子親分の1人を明らかに贔屓していたのが子供にも分かった。過激な発言や態度が先生らしくなく、何か問題を起こしたのだと思うが、学期の途中で担任が変わった。そして、新しく来た担任はクラスでテストを行うと、順位をオープンにしてプリントにして配り親に見せなさいと言った。このやり方には腹が立った。先生が頼れない、信頼がないと学級はまとまらないと思う。しかし、無視し続ける女子には私は何とも思わなかった。あまりにも気にしなかったので、そのうち親分の1人が「そろそろ許してあげようと思って」と切り出してきた時、「許す?それはこちらが決める事でしょう」と言うと、狼狽えて逃げていった。誰かと徒党を組まないと強がれない弱い人たち。何も悪くないのだから堂々としていれば良いんだよ。と友だちを励ましていたら、何故そんなに強いのか?と聞かれた。別に強いとは思っていなかったけれど。男子全員は、状況を分かっていたのか何気なく味方してくれたからかな。まぁモテモテだったからでしょう。(笑)

いつか馬鹿な事をしていると、気づくと思うから。凛としていればいいよ。

みかこ