6月は発表会曲の譜読みなのだが、今年は早い生徒さんが多い。既に内容に入っている人や、暗譜に近い人も居る。学祭の準備で忙しい高校生の生徒さんもショパンのワルツが良い感じだ。ただ妙なクセがあったので、あれ?と思った。何か聴いているの?と聞いたら、「You Tubeを聴きました」との亊。あぁやっぱりね。便利な世の中だと思う。でも、You Tubeは先ほどのように、妙なクセのある演奏も多いので、気をつけないといけない部分もあると思う。プロの演奏も、アマチュアの演奏もあるけれど、恐らく生徒さんは分からないで聴いていると思うから。

私が学生の頃はYou Tubeなんてなかったから、レコードを買って聴いていた。すると、先生に「誰の演奏を聴いたの?」とよく言われた。そして、「出来れば自分の力でこの曲はこういう曲なのかと分かるまで弾いてから、プロの演奏を参考にした方が良い」と。プロにも、もちろん個性というか、弾き手が違えば同じ曲でも雰囲気がガラリと変わるからだと思う。最終的には、自分らしい演奏をするという亊が大切なのだと思う。

演奏会に出かけて、初めて聴いた曲に感銘を受けて、その曲をどうしても弾いてみたいと思う亊や、今まで何度も聴いているのに、もの凄く感動して弾いてみたくなったり。それはダン・タイ・ソンのリサイタルで聴いたラヴェルの「水の戯れ」だったり、舘野先生のリサイタルで聴いたファリャの「火祭りの踊り」だったり、シューマンの「幻想曲」だったり。CDで聴くより、遥かに感動する事が多いのが生演奏の良いところだと思う。

今年は、リストの「パガニーニによる大練習曲集」から2曲弾こうと思っているが、今月中に暗譜出来なければ無謀だなと思っている。頑張らないと!

みかこ