先日のコンクール予選を受けた小2の生徒さんの審査員の評価を、今日のレッスンに持ってきてくれたので読んだのだが、5人の審査員の共通のコメントは、綺麗、丁寧、テンポがしっかりしている。というものだった。では、何が惜しかったかというと、演奏が少しおとなしいというものだった。

選択したガボットは、左手がノンレガートなのだけれど、「もっとはずんで」と書いている人も居れば、「デュナーミクの差をつけて丁寧に弾けていた」というコメントもあった。「元気が欲しい!」という審査員からは一番高い点数をもらっている。出だしがP(ピアノ)から始まる短い曲だが、これもアレグレットで、それほどテンポは速くないのだ。

もう1曲の「やわらかなマーチ」も、一番高く評価してくれた審査員のコメントは「やわらかな表現力がすてきでした」や、別の審査員からは「よくうたって感情がこもっています」に対して、「もっと表現して欲しいと思いました」という評価もあった。楽譜の指定のテンポは四分音符=108だから決して速くはないのだが、上の曲と共通していえることは、コンクール向きの演奏が必要ということでしょうか。タイトルの柔らかに行進するのではなく、かなりの急ぎ足で歩いたほうが強弱は付けやすいのかも知れません。

評価点は低いものはなく、かと言って高い訳ではありませんが、あと一歩(トータルであと5点だったそうですが)及ばなかったのは、経験だったり、本選へ余裕を持って臨めなかった事が大きかったと思います。お母さまは、タッチが弱いのではとおっしゃっていましたが、そうではありません。表現力と一言で済ませるのは簡単な事ですが、どう感じて演奏するかをアピールしていく事だと思います。

まずは初めての参加で、良い評価をもらったと褒めてあげましょう。堂々と演奏できたのだから!ただ、コンクールの趣旨として、4つの時代の作品を深く勉強するところまで行かなかったのが、私は残念でした。予選が迫ってくると、その2曲だけに気持ちが行くのは分かりますが、本選へ進んだ生徒さんはそうではないと思います。予選を通過したら今度は本選の曲というスタンスでは、このコンクールには勝てないと思いますし、これは大きな反省材料となりました。

楽譜に書かれているから、それをきちっと弾くのではなく、そこからどう感じてイメージを膨らませていくのかを小さい子に指導するのは難しいですね。色々な人の演奏を聴いて、同じ曲でも弾く人が違うとこんな風に変わるのかを聴く経験できたのは、コンクールに参加して良かった点だと思います。もう一人参加した中2の生徒さんは、半分も力を発揮出来なかったけれど、前向きな子なので他の人の演奏をよく聴いていたようだ。本選で弾く予定だったモーツァルトのピアノソナタを発表会でリベンジしてもらいたい。

みかこ

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