癖はそう簡単には直らない

先日までクーラーを入れていたのに、流石に10月が近づいてくると涼しいを通り越して一気に寒い。

7月の半ば頃から、母の関係でいくつもの契約書や申込書にサインをしてきた。役場へ行っては書類にサインを書き、そして、今日は引っ越し先の契約があり、またサインを書いてきた。昨年からユーキャンのペン習字を1年間やったが、あまり上達していない。お手本を見て、ゆっくり書いたならまぁまぁ綺麗な字が書けるのだけれど、サインなどはいつもの癖が出てしまう。ピアノは、毎日弾くことで少しずつ上達するのと同じで、ペン習字も毎日少しずつを続けたら綺麗な字が書けるのだろう。子供の頃に母の勧めで習字を習いに行ったのだが、これが大嫌いですぐに辞めてしまった事を思い出した。墨で手が汚れるのが嫌だったのと、子供心にも筆を操る難しさに直面したからなのかも知れない。小6の時は、児童会の書記を務めたことがあるのだが、鉛筆で字を書くのはわりと好きで、特にガリ版に字を書いていく作業が面白く、自分の書いた一文字一文字が新聞になった時は嬉しかった。

母の引っ越しの契約を済ませ、部屋を3人で再び見に行った。部屋にバス・トイレ・流しがあるので、その分部屋が今の住まいより狭い。いかに収納を工夫するかだと思う。帰りがけ、ちょうど昼食の支度中だったのだが、珍しくパン食の日だったようだ。いきなり母が「ちょっと、パンを見せて下さい」と言うのでびっくりした。それは7年前まで母が務めていたパン屋さんのものだったのだ。そう、7年前の70歳まで移動販売をしていたから、今でも決して車を降りようとしない。私たちはヤキモキしているのだが、誰が説得しても聞き入れない…。

引越し先から我が家まで車で1分。久しぶりに母は我が家で食事していった。パスタを作ったが、意外にも食欲がありペロッと平らげてくれた。コーヒーを飲みながら母と一緒に「あまちゃん」を観たら、音痴という設定の薬師丸ひろ子が美しく慈愛に満ち溢れた声で歌っていた。3日で音痴が直るとは到底無理な話で矛盾だらけのドラマだが、まぁどうでも良いのだけれど、ゆったりとしたテンポで語りかけるように歌うシーンにはジーンときた。

母を送ってから、ようやくゆっくりピアノに向かった。ライフワークにしているベートヴェンのピアノ・ソナタだが、第8番「悲愴」の第2・3楽章からスタートしてしまったので、第一楽章を弾かないと全曲演奏にカウントされない。最後に弾こうかとも思ったが、道は険しいので、次に取り上げることにした。勿論、全楽章弾きます。それでようやっと32分の16。半分なのだ。分厚い楽譜1冊分を勉強したが、同じく分厚い1冊分が残っている。でも、目標があるという事は気力になり、日々の練習が楽しくもある。今日はベートーヴェンの後に発表会のパガニーニの2曲を弾いたが、腕も軽く調子が良かった。

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