譜読みが早く出来る練習をしよう

レッスンの時に「まだ両手で弾けないのですが」と言う生徒さんが結構多い。ゆっくり両手で弾けなければ、メロディを弾いてみて、次はメロディを歌いながら伴奏を弾いてみるなどの練習を薦めているが、私自身はゆっくり全部の音を鳴らして最後まで弾いてみるという練習が子供の頃から定着しているので、「今日は両手で弾けません」と先生に言ったことはない。バッハのインヴェンションなどは、片手ずつの練習は有効だと思うが、レッスンでは両手で、勿論通しで弾けるようにしてから通ったものなのだが…。

昨日、ショパンのワルツを両手で合わせられないと焦って言う生徒さん。メロディもつっかえつっかえだ。伴奏に至っては、1拍目のバス音から2拍目3拍目の和音が掴めないと言う。調性を理解しないで弾いているから、主和音も分かっていないのだ。いつもは要領良く練習してくる生徒さんだから、今回の練習の仕方はかなり反省していた。

新しい曲に入ると、音を塊で捉えずに一音一音読む生徒さんも居るが、これだと気が遠くなる作業だ。楽譜をまず見ることから初めて欲しい。どういう構成になっているの?楽譜にA、B、A、C、A’など書き込んだだけで、随分と表情が明るくなって帰っていく生徒さんが多い。

今日は、お弾き初め会の曲がブルグミュラーから2曲では大変ですから1曲にして貰えますか?と生徒さんのお母さまが心配して相談されたが、「こちらにお任せ下さい」と言ってレッスンした。どうもイキナリ弾けないとダメみたいに捉えているようなのだ。とんでもないことに。まずは譜読みなのだけれどね。今日のレッスンでかなり譜読みは出来たので、次回のレッスンでほぼ大丈夫でしょう。11月にはゆっくり弾けると思うし、12月には自然と暗譜も出来ていると思うのだ。ただ、どうしても無理な状態なら当たり前の事ですが考えますし、お子さんと話し合って対処しますので、お子さんのレッスンは暖かく見守って欲しいのです。

譜読みや、初見もコツみたいなものがあって、やはり練習が必要なのだけれど、一音一音見るのではなく、フレーズを歌うという事が基本だと思う。文章を読むのと同じなのです。そう、まず声を出してフレーズを読んでみましょう。つっかえないでスラスラ言えるようになったら弾いてみましょう。魔法のように弾けますから!

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