時々、演奏を録画して聴いて確認するように、自分自身を客観的に見る「もう一人の自分」。分身を置きたいと思う。しかし、それは既に自分の中に居るのではないかと思う。例えば、レッスンしている時の声のトーンは、普段はじめさんと話している時のトーンとは違う。生徒さんが、子供と大人の場合でも変えていると思う。自分では気が付かないうちに、知らず知らず相手によってトーンを変えて話しているのだと思う。
私は思い立ったら直ぐ様行動するタイプなのだが、これは損をしたり失敗したりする事が多い。こんな時、もう一人の自分が「もう少しよく考えてから行動すべき」と忠告を与えてくれたらと思う。石橋を叩いて渡るのが良いのかどうか分からないけれど、慎重になる事は、相手の立場を考えて行動が出来るので、「ちょっと待った」という気持ちは大事だと思う。ん、行動する前に、「もう一人の自分」に相談しようと思う。
よく「大人だから」という台詞を聞く。レッスンの場合だったら、生徒さんがあまりにも練習してこない場合でも、感情に任せて怒るのは逆効果なので、思った事をストレートに言わずに、柔らかい言い回しにするように気を配るだけで大分ニュアンスが変わってくると思う。加えてトーンも。私は気が短い方なのだが、レッスンに於いては「もう一人の自分」が強い立場になってきているように感じる。
ただ「大人だから」と自分に言い聞かせて、いつも我慢したり、思い切って伝えたい事をも言えないのは、例えそれが失敗だったとしても、後悔するよりは良いのではと思う。ん、失敗が多い人生だけれど、時には「もう一人の自分」も苦笑いしながら応援してくれているのではないかと思う時もある。